今回は、長月天音さんの『泊日文のおひとりさまノート』という小説を紹介します!
銀座の端っこに、たい焼きと雑貨で人を迎える小さな百貨店。
派手さはないけれど、ふらっと立ち寄った人の心をほぐしてくれるような、不思議なあたたかさがある場所。
お店を切り盛りするのは、祖母から店を受け継いだ綺羅と、たい焼き職人として日々奮闘している葵。
華やかな銀座の空気とは少し違う、どこか懐かしい匂いが漂う「ちぐさ百貨店」で、今日もふたりはお客さんを迎えている。
たい焼きの香ばしい匂いに誘われてやってくる人たちが、雑貨を手に取り、たい焼きを頬張りながら、少しずつ表情をゆるめていくそんな優しい時間が、このシリーズの魅力。
長月天音さんの人気作、第2弾。
前作を読んだ人も、今回が初めての人も、楽しめるはず。
このブログでは、綺羅と葵の成長や、祖母・美寿々の存在感、そしてたい焼きと雑貨がつないでいく人と人の物語を、ゆっくり紹介していこうと思う。

36歳独身女性の「おひとりさま」生活
『泊日文のおひとりさまノート』
著者 :長月天音
ページ数:320ページ
あらすじ
「俺、結婚するんだ」36歳の泊日文は信頼する男友達・直人の告白に衝撃を受ける。
誰にも頼らず生きていく決意をする日文だったが、電球が替えられず暗闇のお風呂ライフ、新しいお隣さんにおびえ全力疾走、熱が出ても体温計は行方不明と、生活は困難ばかり。
そんな中、周りの人々との間に育まれていたつながりに気づいていき……。
(Amazonより)
見どころ
おひとりさまのリアル
主人公・泊日文は36歳の独身女性。
大学進学で秩父から東京へ出てきて以来、三鷹で一人暮らしを続けてきたけれど、実際には18年来の男友達・直人の存在にずっと支えられていた。
その直人が結婚し、転勤してしまうことで、日文は初めて本当に一人で生きることを突きつけられる。
電球ひとつ替えられなかった彼女が、少しずつ生活を整え、人との関わりを築いていく姿は、都会で暮らす人なら誰でも共感できるリアルさがある。
東京で生きることの難しさと面白さ
東京は自由だけど、孤独もつきまとう街。
美紗紀の「東京は生き延びる闘志が湧いてくる」という言葉が象徴的で、競争や比較が避けられない環境の中で、自分らしく生きることの難しさが描かれている。
最初は人との距離を置いていた日文が、職場の同僚やウォーキング仲間との出会いを通じて、少しずつ心を開いていく。
ひとりだけど、独りじゃないという感覚が、伝わってくる。
過去のトラウマと向き合う勇気
日文が恋愛や結婚に踏み出せなかった理由には、幼い頃のトラウマがある。
ずっと心の奥にしまい込んでいた出来事と向き合うきっかけが訪れ、彼女は少しずつ自分の中の思い込みをほどいていく。
母親にも言えなかった過去を見つめ直し、「あれは自分の勘違いだったのかもしれない」と気づく場面は、読んでいて胸がぎゅっとなる。
誰にでもある心の壁をそっと照らしてくれるようなシーン。
暮らしを整えることの楽しさと成長
日文がつけ始めた「おひとりさまノート」は、最初は不安を書き留めるためのものだったのに、いつの間にか「ごきげんノート」へと変わっていく。
これは、彼女の心の成長そのもの。
高熱で倒れたときに職場の仲間が助けてくれたり、ウォーキングを通じて新しい繋がりが生まれたり、日文の世界は少しずつ広がっていく。
自分の居場所を自分で作っていく姿は、読んでいて自然と励まされる。
読者の口コミ
【この作品が合う人の口コミ】
・人との距離感の描写が絶妙
職場や地域との関係性が自然で、読後に温かい気持ちになった。
・一人だけど独りじゃない」生き方に共感
孤独ではなく、ゆるやかな繋がりの中で生きる姿に励まされた。
・主人公の成長が心に響いた
頼りなかった日文が少しずつ自立していく過程に感動。
・都会での一人暮らしのリアルが描かれている
東京で生きることの葛藤や楽しさがリアルで共感できた。
【この作品が合わなかった人の口コミ】
・短期間での人間関係の変化が不自然
急に周囲と打ち解けていく様子にリアリティが感じられなかった。
・主人公が年齢の割に幼すぎる
電球も替えられないなど、現実味がなく共感できなかった。
・直人への依存が過剰に感じた
恋愛感情はないと言いながら執着しすぎていて違和感。
・展開が甘すぎて物足りない
いい話すぎてむず痒く、もっと現実的な葛藤が欲しかった。
その他の人気作品
ほどなく、お別れです

大学生の清水美空は、東京スカイツリーの近くにある葬儀場「坂東会館」でアルバイトをしている。
坂東会館には、僧侶の里見と組んで、訳ありの葬儀ばかり担当する漆原という男性スタッフがいた。
漆原は、美空に里見と同様の“ある能力”があることに目を付け、自分の担当する葬儀を手伝うよう命じる。
漆原は美空をはじめとするスタッフには毒舌だが、亡くなった人と、遺族の思いを繋ごうと心を尽くす葬祭ディレクターだった。
(Amazonより)
銀座ちぐさ百貨店2

祖母の美寿々から孫の綺羅へと代替わりした「ちぐさ百貨店」は、雑貨を売る傍ら、尻尾に秘密が隠された美味しいたい焼きも販売している。
餡子以外の新作たい焼きを作ろうと奮闘するアルバイトの葵だったが、商社を辞めてたい焼きを焼いていることは家族に話せないままでいた……。
猫目石のペンダント、アンティークのマドレーヌ型、ビアグラスに江戸切子のロックグラス。
雑貨が人と人を繋ぐ、心温まる再生の物語。
(Amazonより)
たい焼き・雑貨 銀座ちぐさ百貨店

銀座のはずれにある、ちょっと変わった「ちぐさ百貨店」。
千種綺羅の祖母美寿々が営むこの店は、雑貨を売る傍ら、尻尾に魅力が隠された焼きたてのたい焼きも販売している。
そんな店を訪れた人々の心を、美味しいたい焼きと所狭しと並べられたこだわりの品々が癒やしていく。
ハンドメイドの一点物アクセサリー、親子をつなぐつげ櫛、季節外れのスノードーム、店頭に飾られた鯛の木型……。
(Amazonより)
読んでみた感想(ネタバレ注意)
『泊日文のおひとりさまノート』は、派手な展開があるわけじゃないのに、読んでいるとじわじわ胸に残るタイプの物語だった。
主人公の日文は36歳。
ずっと一人暮らしをしてきたけれど、実際には男友達の直人にかなり頼って生きてきた人で、彼が結婚して遠くへ行ってしまうことで、初めて本当の意味でのひとりと向き合うことになる。
正直、日文の言動に「え、そこまで?」と思う場面もある。
電球ひとつ替えられないとか、高熱で職場に「助けて」と電話してしまうとか、甘いと感じる人も多かったはず。
でも、その甘さがあるからこそ、周りの人たちと自然につながっていけるのだと思う。
地域のおばちゃん、職場の仲間、ウォーキングで出会う人たち。
日文は気づかないうちに、ちゃんと人に恵まれている。
東京という街の描き方もよかった。
孤独と自由が同居していて、放っておけばいくらでも孤独になれるけれど、少し勇気を出せば人との距離は縮まる。
「ひとりだけど、独りじゃない」という感覚が、物語を通して伝わってくる。
そして、日文が抱えていた幼い頃のトラウマ。
ずっと心の奥にしまい込んでいたものを、あるきっかけで見つめ直し、思い込みだった部分に気づくシーンは、胸がすっと軽くなる。
自分の中の壁って、案外自分で作っているのかもしれない。
物語の後半、日文が少しずつ生活を整え、人との関わりを広げていく姿は、読んでいて素直に応援したくなる。
「おひとりさまノート」が「ごきげんノート」に変わっていくのも、彼女の心の変化そのものだ。
完璧な主人公ではない。
むしろ不器用で、偏っていて、ちょっと面倒くさい。
でも、その不器用さがとても人間らしくて、読み終わる頃には日文のことを少し好きになっていた。
ひとりで生きるって、強さだけじゃなくて、誰かに頼る勇気も必要なんだなと、静かに教えてくれる一冊だった。
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『泊日文のおひとりさまノート』
著者:長月天音




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