今回は、染井為人さんの『正体』という小説を紹介します!
「罪を犯したのか、それとも冤罪か」
冤罪という重くも現実的なテーマに挑み、人間の本質や社会の歪みを鋭く描き出した染井為人さんの小説『正体』。
この作品は、死刑判決を受けた少年が脱獄し、逃亡生活を送りながらも、さまざまな人々と関わる中で信頼を築き、彼の無実が証明されるまでの切ない旅路を描いています。
読み手を物語の深みへと引き込む緻密な構成と、多様な視点からの語りによって紡がれるこの物語は、現代日本の司法制度への問いかけも含んでいます。

逃亡と冤罪のリアルな人間ドラマ
『正体』
著者 :染井 為人
ページ数:624ページ
あらすじ
埼玉で二歳の子を含む一家三人を惨殺し、死刑判決を受けている少年死刑囚が脱獄した!
東京オリンピック施設の工事現場、スキー場の旅館の住み込みバイト、新興宗教の説教会、人手不足に喘ぐグループホーム……。
様々な場所で潜伏生活を送りながら捜査の手を逃れ、必死に逃亡を続ける彼の目的は?
(Amazonより)
見どころ
冤罪の恐怖と逃亡者の視点
物語の中心は冤罪によって死刑判決を受けた少年鏑木慶一が、自らの無実を証明するために脱獄し逃亡生活を送る姿です。
その過程で彼の誠実さや人間性が垣間見え、それが関わる人々の心を動かしていきます。
冤罪という理不尽な運命に直面する彼の心情や葛藤がリアルに描かれており、読む側もその苦しさや恐怖を深く感じ取ることができます。
多層的な視点で紡がれる物語
本作の特徴は、鏑木自身の視点ではなく、彼と関わる人物たちの視点を通じて物語が進む点です。
章ごとに語り手が変わり、それぞれの人生や背景を掘り下げながら、鏑木という人物像が浮き彫りになっていきます。
この形式によって、鏑木の人間性や彼の境遇に対する共感を一層深く感じることができます。
人間関係の力と連鎖
鏑木が逃亡中に築いた人間関係が、彼の冤罪を晴らす鍵となります。
彼が直接接した人々が、彼の誠実さや優しさに触れることで「この人が殺人を犯すはずがない」という強い信念を抱く様子が描かれています。
それがやがて連鎖的に広がり、彼の死後に冤罪が晴らされる結果へとつながります。
この人間関係の力と温かさが、物語の中で光る部分です。
現実世界とのリンク
本作では、日本の司法制度の問題や冤罪事件についても暗に触れています。
実際に袴田事件などの冤罪事件が存在していることから、この物語が現実に基づいた深いテーマを扱っている点が特に印象的です。
読者にとっては、冤罪の恐ろしさや社会の不条理について考えさせられるきっかけとなります。
切なさと温かさが交錯するラスト
物語のラストで鏑木は命を落としますが、彼が築いた人間関係が冤罪を晴らすことにつながるという、切なくも希望に満ちた展開となります。
この結末には、理不尽な運命に抗う人々の勇気や絆が描かれており、読者の心に強い余韻を残します。
読者の口コミ
【この作品が合う人の口コミ】
・ぐいぐいと引き込まれ、気がついたら読み終えていた
・この値段でこのボリュームはお得
・冤罪について深く考えるきっかけをくれた本
・一気読みするほど、好きな小説
【この作品が合わなかった人の口コミ】
・結末があっさりしすぎてる
・腑に落ちない物語
・あまりにも結末が見え過ぎている
・もうちょっとなんとかなったはず
その他の人気作品
歌舞伎町ララバイ

中学卒業と同時に親元から飛び出し歌舞伎町にたどり着いた15歳の少女・七瀬。
わずか15年の人生で絶望を味わい、すべてをあきらめている七瀬にとって、歌舞伎町は唯一、心を安らげる場所だった。
トー横広場で仲間とダベり、危ないバイトに手を出していくうち、歌舞伎町の闇社会や家出少女たちを食い物にしようとする大人たちとも関わっていく。
そして事件は起きた――。
(Amazonより)
悪い夏

26歳の守は生活保護受給者のもとを回るケースワーカー。
同僚が生活保護の打ち切りをチラつかせ、ケースの女性に肉体関係を迫っていると知った守は、真相を確かめようと女性の家を訪ねる。
しかし、その出会いをきっかけに普通の世界から足を踏み外して――。
生活保護を不正受給する小悪党、貧困にあえぐシングルマザー、東京進出を目論む地方ヤクザ。
加速する負の連鎖が、守を凄絶な悲劇へ叩き堕とす!
(Amazonより)
正義の申し子

現実では引きこもりながら正義のユーチューバー“ジョン”として活躍する青年・純。
悪徳請求業者に電話をかけ、相手をおちょくったところ大好評。
キャラの濃い関西弁男を懲らしめた動画は爆発的に再生数を伸ばす。
味をしめたジョンは、男とリアルに会って対決し、それも配信しようと画策する。
一方、請求業者の鉄平もジョンを捕まえようと動き始めた。
2人が顔を合わせた時、半グレや女子高生をも巻き込む大事件に発展する!
(Amazonより)
ひきこもり家族

不登校となり12歳でひきこもりとなった19歳の僚太。
母親と二人暮らしの大知はブラック企業で働き心を病んで、20年前からひきこもり44歳となった。
双方の家族がすがったのは、新宿にある「リヴァイブ自立支援センター」。
強引に自宅から引き出された二人は、すでにそれぞれのひきこもり人生から無理矢理引き出されていたほかの三人、50代の竹之内、40代の亜弥子、20代の玲とともに、元警察官が営む熊本の研修施設で囚人のような生活を強いられる。
施設長は辺見未知留というプロレスラーのような巨体の大女だ。悪魔のような彼女に監視され、逃げることもできず未来のない辛い日々が続く。
ある日、監獄のような扱いに抗い五人は施設長を殺してしまう。
(Amazonより)
黒い糸

結婚アドバイザーを務めるシングルマザーの亜紀は、クレーマー会員とトラブルを起こして以来、悪質な嫌がらせに苦しんでいた。
息子が通う小学校ではクラスメイトが誘拐される。
担任の祐介は対応に追われる中、クラスの秀才・莉世から推理を聞かされる――「あの女ならやりかねない」。
その後莉世も何者かに襲われ意識不明に。亜紀と祐介を追い詰める異常犯罪の数々。
街に潜む“化け物”は一体誰なのか?
(Amazonより)
ネットで簡単、本&DVD 宅配買取のネットオフ!
家に本が溢れかえってる人、常に新しい本を買っては売る人、そもそも出品作業や、売りに行くのが面倒な人。
ネットオフなら自宅で段ボールに詰めるだけ。
後は宅配業者が自宅に集荷に来て、全てお任せ!
気になる方はチェック!
【好評発売中】

『正体』
著者:染井 為人





コメント