今回は、住野よるさんの『また、同じ夢を見ていた』という小説を紹介します!
住野さんと言えば、「君の膵臓をたべたい」で広く知られていますが、この作品はそれとはまた違った視点で読者の心を打つ珠玉の一冊です。
「幸せとは何か?」という普遍的なテーマを、小学生の少女の視点を通して描くこの物語。
子どもの純粋さや無垢さ、そして大人たちのそれぞれの「幸せ」の形が丁寧に紡がれています。
一度読んだら忘れられないタイトルの意味や、心に響く言葉の数々が散りばめられたこの作品、再読してもその魅力に惹きつけられてしまいました。
この記事では、本作の魅力を存分にお伝えすると共に、読みどころや心に残ったポイントについても深掘りしていきたいと思います。
ぜひ最後までお付き合いください!

幸せの意味を探る旅
『また、同じ夢を見ていた』
著者 :住野よる
定価 :723円(税込)
発売日 :2018.07.11
ページ数:304ページ
あらすじ
友達のいない少女、リストカットを繰り返す女子高生、
アバズレと罵られる女性、一人静かに余生をおくる老女。
彼女たちの“幸せ”は、どこにあるのか。
「やり直したい」ことがある、“今”がうまくいかない
全ての人たちに贈る物語。(Amazonより)
見どころ
主人公の「幸せ」を探す旅
主人公は小学生という幼さを持ちながらも、非常に知的で大人顔負けの洞察力を持つ少女。
しかし、その聡明さゆえに友達を作るのが苦手で、周りをどこか冷めた目で見ています。
そんな彼女が授業で「幸せとは何か?」という課題に向き合うことで、自分自身の孤独や他者とのつながりについて考え始めます。
作中では、周囲の大人たちや動物たちと交わす会話が、物語の核となっています。
それぞれのキャラクターが語る「幸せ」の形が多様で、一人ひとりが違った視点を持っていることを思い知らされます。
登場人物の個性豊かな「幸せ」
小柳奈ノ花(こやなぎ なのか)
本作の主人公である小学生の女の子。
物事を深く考え、達観した言い回しをする一方で、その賢さが原因で友達も味方もいない孤独な存在です。
口癖は「人生とは○○のようなものね」。
彼女がアバズレさん、南さん、おばあちゃんと出会い、交流を通じて「幸せな大人」へと成長していく姿が物語の大きな軸となります。
南さん
高校生の女性で、制服に刺繍された「南」という文字を奈ノ花が名前だと思い込み「南さん」と呼ばれています。
リストカットを繰り返し、両親を事故で亡くした過去を抱えています。
彼女の「幸せとは自分がここにいていいと認めてもらうこと」という言葉が物語に深い意味を与えます。
その正体は・・・・・・・
彼女の家族の未来を守る重要な役割を果たします。
アバズレさん
奈ノ花が「アバズレさん」と呼ぶのは、表札に「アバズレ」と落書きされたことが名前だと勘違いしたから。
知的で優しく、奈ノ花の良き相談相手です。
奈ノ花に「誰かのことを真剣に考えること」が幸せであると気づかせます。
彼女も・・・・・・であり、自分を特別視しすぎた結果
孤立してしまった過去の教訓を奈ノ花に伝えます。
おばあちゃん
奈ノ花を優しく迎え入れるおばあちゃん。
美しい絵を飾った部屋に住み、時折フィナンシェなどのお菓子を振る舞ってくれます。
彼女もまた・・・・・・
奈ノ花に「幸せとは何か」という問いの答えを導くための最後のヒントを残します。
桐生くん(きりゅうくん)
奈ノ花のクラスメイトで、絵を描くことが好きな少年。
父親の窃盗事件が原因でいじめの標的となり、不登校になっていましたが、奈ノ花の説得を受けて学校に復帰。
彼女(黒猫)
常に奈ノ花と行動を共にする黒猫。
現実世界にはいない夢の中の存在でありながら、奈ノ花を様々な人々に導く重要な役割を担っています。
これらの個性的な登場人物たちが、主人公の成長に少しずつ影響を与えていきます。
「いじめ」というテーマへの向き合い
物語の中で重要な位置を占めるのが、「いじめ」というテーマ。
隣の席に座る同級生の男の子は、いじめに遭っている存在として描かれています。
主人公はいじめから助けるために手を差し伸べますが、その方法が非常に印象深いものとなっています。
この「いじめ」について描かれるシーンでは、単なる善悪の枠を超えた描写がされており、小学生ながら深い内省を伴った行動が描かれています。
読者自身も「幸せとは何か」を考えざるを得なくなります。
心に残るフレーズ
主人公の口癖である「人生とは〇〇のようなものね」
というフレーズが物語に頻繁に登場します。
この言葉が、読者にとっても人生について考えるきっかけを与えてくれるのです。
また、「また同じ夢を見ていた」というタイトルも物語を読んでいくうちにその深い意味が解き明かされていきます。
読者の口コミ
【この作品が合う人の口コミ】
・自分が幸せであることを、思い起こさせてくれる本。
・度々出てくるものの例えが奥深い
・自分にとっての幸せとは、人生とは何かを考えさせられるお話。
・今まで読んだ本の中で一番優しい気持ちなった。
【この作品が合わなかった人の口コミ】
・膵臓が良かったからすこし残念だった。
・飾りすぎて、説明しすぎて、例え過ぎて疲れてくる。
・先が読める
・中盤までが割と退屈
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『また、同じ夢を見ていた』
著/住野よる





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