今回は、東野圭吾さんの『マスカレード・ライフ』という小説を紹介します!
「ホテルに泊まるとき、人はどんな“仮面”をかぶっているのだろう?」
そんな問いがふと頭をよぎる――
それが、東野圭吾『マスカレード・ライフ』を読み終えた直後の私の心境でした。
マスカレードシリーズ第5弾。舞台はお馴染みのホテル・コルテシア東京。けれど、今回は少し違う。
元刑事・新田がホテルマンとして事件に向き合う姿は、これまで以上に人間の“内側”に迫ってくる。
文学賞の選考会という華やかな場に潜む殺人事件の影。
父との再会、過去の贖罪、そして“仮面”の奥にある本当の顔――。
読み進めるほどに、ページをめくる手が止まらなくなる。
そして気づけば、私自身も仮面をかぶってこの物語の中に入り込んでいた。
この記事では、そんな『マスカレード・ライフ』の魅力を、じっくりと語っていきます。
シリーズファンも、初めて読む方も、きっとこの“ホテルの物語”に心を奪われるはずです。

今を生きる感動の物語
『マスカレード・ライフ』
著者 :東野圭吾
ページ数:392ページ
あらすじ
ホテル・コルテシア東京で開催されることになった、『日本推理小説新人賞』の選考会。
当日、文学賞受賞の候補者として、ある死体遺棄事件の重要参考人が会場に現れる!?
警視庁を辞め、コルテシア東京の保安課長となった新田浩介が、お客様の安全確保を第一に新たな活躍をみせる!
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見どころ
ホテルという舞台が生む“仮面”のドラマ
このシリーズの最大の魅力は、ホテルという特殊な空間が舞台であること。人々が日常とは違う顔を見せる場所であり、誰もが“仮面”をかぶって過ごす。
今回もその設定が存分に活かされていて、ホテル・コルテシア東京で繰り広げられる文学賞の選考会という華やかな場に、殺人事件の容疑者が紛れ込むという緊張感ある展開が描かれます。
ホテルマンとしての新田は、警察時代とは違う立場で事件に関わることになりますが、仮面を尊重しながらも真実を見抜こうとする姿勢が、シリーズの根幹にある“人間の本質”に迫っていくのです。
新田の転身と父との再会が描く“贖罪”のかたち
今作では、新田が警察を辞めてホテルの保安課長として働いているという設定が新鮮です。刑事としての鋭さはそのままに、ホテルマンとしての柔らかさが加わり、彼の人間性がより深く描かれています。
そしてもう一つの軸となるのが、新田と父親との再会。
父は過去に家族殺傷事件を担当した弁護士であり、その事件の被害者と加害者の娘がホテルで対面するという、重く切ないエピソードが展開されます。
ここでは「贖罪とは何か?」という問いが強く浮かび上がり、単なるミステリーではなく、人間の心の奥に踏み込む物語となっています。
文学賞選考会の裏側が描く“創作と現実の交差点”
文学賞の選考会という舞台設定も見逃せません。候補者の中に殺人事件の容疑者がいるという状況は、フィクションと現実が交錯するような不思議な感覚を生み出します。
選考委員たちのやり取りや、受賞作『イノチノアマリ』にまつわるエピソードは、創作の裏側にある人間の欲望や葛藤を浮き彫りにします。
読者としては、実際にその小説を読んでみたくなるほどのリアリティがあり、東野圭吾さんの“物語を物語る力”が存分に発揮されています。
シリーズの魅力と少しの物足りなさ
シリーズを通して登場する新田と山岸のコンビは今回も健在。
ただ、能勢さんの出番が少なかったのは個人的に残念でした。事件の構造としては、複数の事柄が同時進行するものの、もっと絡み合っていく展開を期待していた読者には、やや肩透かしを感じるかもしれません。
それでも、ホテルという舞台で描かれる人間模様、仮面の奥にある真実、そして贖罪という重いテーマが、読後に深い余韻を残してくれます。
読者の口コミ
【この作品が合う人の口コミ】
・文学賞選考会の裏側が面白く、創作と現実が交差する構成に引き込まれた
・ホテルという舞台が好きで、非日常の空気感に浸れるのが最高。今回も一気読み!
・新田と山岸のコンビが健在で安心感。シリーズの空気がしっかり残っていて嬉しい。
・贖罪や家族の絆など、深いテーマが描かれていて読み応えがあった。
【この作品が合わなかった人の口コミ】
・文学賞の選考会シーンが冗長で、登場人物にもあまり好感が持てなかった。
・事件の絡みが弱く、複雑に絡み合う展開を期待していたので肩透かしだった。
・ミステリー要素が薄く、刑事ものというより人間ドラマ寄りで物足りなかった。
・シリーズの魅力だった“潜入捜査”がなく、緊張感が足りないと感じた。
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『マスカレード・ライフ』
著者:東野圭吾




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