今回は、野宮有さんの『殺し屋の営業術』という小説を紹介します!
営業マンが殺し屋になる。
そんな話、聞いたらあなたは信じますか?
「いやいや、さすがに無理あるでしょ」って思ってしまう。
でもこれただの奇抜な設定じゃないんです。
主人公は、営業成績トップの男・鳥井。
彼が命を懸けて「殺し屋業界」に営業を仕掛けるという、前代未聞のビジネス×裏社会エンタメが始まる。
しかも、作中に出てくる営業テクニックがリアルで、「これ、自分の仕事にも使えるかも…」って思っちゃうほど。
暴力じゃなく「提案力」で生き残ろうとする鳥井の姿は、笑えるのにどこか熱くて、気づけば応援してる自分がいる。
江戸川乱歩賞受賞作だけあって、構成も展開も抜群。
ページをめくる手が止まらないって、こういうことかって感じ。
読み終えたときには、「営業って、こんなにドラマチックだったっけ?」って、ちょっと世界の見え方が変わるかもしれません。

異変とは罪か違和感か?
『殺し屋の営業術』
著者 :野宮有
ページ数:296ページ
あらすじ
「営業ノルマ」は、2週間で2億円。
稼げなければ、全員まとめて地獄行き。営業成績第1位、契約成立のためには手段を選ばない、凄腕営業マン・鳥井。
アポイント先で刺殺体を発見し、自身も背後から襲われ意識を失ってしまう。
鳥井を襲ったのは、「ビジネス」として家主の殺害を請け負っていた「殺し屋」だった。
目撃者となってしまった鳥井は、口封じとして消されそうになる。
絶体絶命の状況の中で、鳥井は殺し屋相手に「ここで私を殺したら、あなたは必ず後悔します」と語り出す。「今月のノルマはいくらでしょう? 売上目標は?」
「契約率は25%……、残念ながら、かなり低いと言わざるを得ません」
「どうしてこんな状況になるまでプロの営業を雇わなかったんですか?」そう……これは商談なのだ。
研ぎ澄まされた営業トークを矢継ぎ早に展開し、場の空気を掌握する鳥井。「あなたは幸運です。私を雇いませんか? この命に代えて、あなたを救って差し上げます」
契約成立。
鳥井は、殺人請負会社に入社することに。
前代未聞の、「命がけの営業」が始まる――。
(Amazonより)
見どころ
異質な主人公
この物語の主人公である鳥井は、フルコミッション制の営業職で、常にトップの成績を叩き出す男。
とにかく売る。
契約のためなら手段を選ばない冷徹さがあって、営業スタイルも倫理ギリギリ。
でも、そんな彼の内面には、どこか「空虚さ」が漂ってる。
どれだけ売っても満たされない。
何かが足りない。
その空虚さこそが、彼の営業力の源になっていて、物語の根っこにあるテーマでもある。
読んでいるうちに、鳥井の異常なまでの営業への執着と、少しずつ変化していく心の動きが見えてくる。
冷酷なだけじゃない、人間らしい弱さや迷いも持っている。
そのギャップが、物語に深みを与えてる。
営業術が命を救う武器
殺し屋に殺されそうになった瞬間、鳥井が口にするのは「命乞い」じゃなくて「営業トーク」。
この発想、まず斬新すぎる。
殺し屋たちが抱える「2週間で2億円」というノルマを聞き出して、「それ、俺が達成します」と言い切る。
そこから始まるのが、裏社会での営業活動。
前代未聞の展開です。
しかも、作中に出てくる営業テクニックがリアル。
パレートの法則、カクテルパーティ効果、後攻有利の法則…
ビジネス書で見かけるような理論が、殺し屋との交渉にガチで活かされていく。
読んでると「これ、仕事でも使えるかも…」って思っちゃうくらいの説得力。
裏社会での営業という新ジャンル
殺し屋の世界に営業という概念を持ち込むことで、ミステリーやサスペンスじゃなくて、「ビジネス×犯罪」という新しいジャンルに仕上がっている。
鳥井は、殺し屋集団の中で営業マンとしての役割を果たしながら、次々と案件をこなしていく。
その過程で登場するのが、引退した老兵、ITに強い引きこもり女性、身体能力抜群の天然系など、クセの強い社員たち。
彼らとの関係性や、鳥井がどう彼らを活かしていくかも見どころ。
ただ、個性が十分に描かれないまま裏切りや死が訪れる展開には、読者の間でも賛否が分かれてる。
そこは好みが分かれるかも?
鳥井の変化と空虚さ
物語が進むにつれて、鳥井はただの営業マシーンじゃなくなっていく。
裏社会での営業活動を通じて、彼は初めて「生きている」という感覚を得る。
恐怖、興奮、裏切り、達成感
それらを通じて、空っぽだった心に少しずつ何かが満ちていく。
暴力じゃなく営業術で困難を乗り越える姿は、まるでダークヒーローみたいで、めちゃくちゃかっこいい。
実写化と続編への期待
読者の間では「実写化してほしい」「シリーズ化してほしい」って声が多いのも納得。
鳥井というキャラクターの完成度、ジェットコースターみたいな展開、そして営業術というテーマの新しさ。
どれを取っても、映像映えする要素が揃ってる。
ラストでは、鳥井が新たな案件に挑む姿が描かれていて、「これは続編あるな」と思わせる終わり方。
この先、彼がどんな営業をしていくのか気になって仕方ない。
読者の口コミ
【この作品が合う人の口コミ】
・実写化してほしいほどキャラが立っている
鳥井のキャラが完成されていて、シリーズ化や映像化を期待したくなる。
・営業術×裏社会の設定が斬新で面白い
営業トークで殺し屋に立ち向かう展開が新鮮で、最後まで飽きずに読めた。
・主人公の変化に引き込まれる
空虚だった鳥井が裏社会で生きる中で少しずつ変わっていく姿にゾクッとした。
・ビジネス理論の活用がリアル
パレートの法則やカクテルパーティ効果など、営業術が物語に自然に組み込まれていて説得力がある。
【この作品が合わなかった人の口コミ】
・営業術だけで解決してほしかった
終盤は暴力や爆破で決着がつく場面もあり、営業力での勝負を期待していた読者には残念。
・ミステリーとしては物足りない
乱歩賞受賞作なのに、謎解きやサスペンス要素が弱くて期待外れだった。
・登場人物が多くて整理されていない
誰が敵で誰が味方か分かりづらく、ストーリーが散漫に感じた。
・グロ描写がきつい
ペットが見せしめで殺されるなど、胸糞展開があり読むのが辛かった。
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読んでみた感想(ネタバレ注意)
久々に一気読み。
最初は「営業マンが殺し屋の世界に?」っていう突飛な設定にちょっと身構えたけど、読み進めるうちにその違和感はどこかへ消えて、気づけば鳥井という男の変化に目が離せなくなっていた。
どんなに契約を取っても満たされない空虚さを抱えた男が、命をかけた営業を通して、裏社会で生きる意味を見つけていく。
営業トークで命をつなぎ、殺し屋のノルマを背負い、裏社会の人間たちと渡り合っていく鳥井。
最初は「なんだこの無茶な展開」と思っていたのに、途中からは「いや、営業ってここまでできるのか…」と納得してしまう自分がいた。
パレートの法則とか後攻有利の法則とか、ビジネス書で見たことある理論が、まさかこんな形で活かされるとは。
そして単純に鳥井の変化がすごい。
最初は冷たくて無機質な印象だったのに、物語が進むにつれて、彼の中にある「人間らしさ」がじ生まれてくる。
それがまた怖くもあり、切なくもあり、でもどこか痛快でもある。
まさにダークヒーローの誕生。
登場人物もクセが強くて面白い。
特にライバルの鴎木との頭脳戦は、読み応え抜群。
終盤の展開はまさにジェットコースターで、ページをめくる手が止まらなかった。
ただ、ちょっとグロい描写や倫理観のぶっ飛び具合には好みが分かれるかも。
でも、そこも含めてこの作品の魅力だと思う。
営業という「武器」で裏社会を生き抜くという、これまでにない切り口の物語。
映像化しても絶対面白いし、続編が出たら間違いなく手に取る。
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『殺し屋の営業術』
著者:野宮有



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