今回は、永井紗耶子さんの『木挽町のあだ討ち』という小説を紹介します!
江戸の芝居小屋で起きた、ひとつの「あだ討ち」
ただの復讐劇かと思いきや、まったく違う。
直木賞を受賞しただけあって、時代小説の枠を軽々と飛び越えてきた。
仇討ちの真相を追う若侍の聞き書きという形で物語が進んでいくんだが、これがまるで落語や講談を聞いているみたいな臨場感がいい。
語り手が変わるたびに、芝居小屋で生きる人たちの人生が少しずつ見えてきて、仇討ちの意味もどんどん揺らいでいく。
「仇討ち」じゃなくて「あだ討ち」っていう言葉の違いにも、ちゃんと意味がある。
読後感はすごく爽やか。
時代小説が好きな人はもちろん、ちょっと苦手かもって思ってる人にも読んでみてほしい。
この物語が「好き」の幅を広げてくれるきっかけになるかもしれない。

仇討ちの真相に涙する時代小説
『木挽町のあだ討ち』
著者:永井紗耶子
ページ数:368ページ
あらすじ
雪の夜、木挽町の芝居小屋の裏で、菊之助なる若衆が果たした見事な仇討。
白装束を血に染めて掲げたのは作兵衛の首級。その二年後。
事件の目撃者を訪ねる武士が現れた。元幇間、立師、衣装部屋の女形……。
彼らは皆、世の中で居場所を失い、悪所に救われた者ばかり。「立派な仇討」と語られるあの夜の〈真実〉とは。
(Amazonより)
見どころ
物語の構成と語り
最初は「仇討ち」っていうシンプルな事件が軸になってるけど、その印象がどんどん変わってくる。
章ごとに語り手が変わる構成になってて、それぞれの人物が一人称で語るから、まるで芝居小屋の隅っこに座って話を聞いてるような気分。
落語とか講談を聞いてるみたいな臨場感が味わえるのもいい。
語り手が変わるたびに、仇討ちの真相が少しずつ見えてくるんだが、その過程がミステリーっぽくて面白い。
最後の章で全部が繋がった瞬間は、「そういうことか!」って快感がある。
あだ討ちというタイトルの意味
タイトルが「仇討ち」じゃなくて、ひらがなで「あだ討ち」になってるのには、ちゃんと意味がある。
これは武士の制度的な仇討ちじゃなくて、○○の人たちが仕掛けた「○○」としての討ち。
その意味が最後に明かされると、「なるほど、そういうことだったのか…」となる。
登場人物たちの人生と人情
物語の中で働く人たちは、いわゆる「世間の外側」にいる人たち。
木戸芸者、女形、小道具師、立師…それぞれが辛い過去を抱えてるんだけど、懐が深くて温かい。
彼らが主人公に手を差し伸べるのも、同情じゃなくて、自分の過去と向き合うためだったりする。
その人間模様が、仇討ちという枠を超えて、物語に深みを与えてる。
菊之助という主人公の成長
父の仇を討つという使命を背負った若侍「菊之助」は、武士としての誇りと、人としての葛藤の間で揺れ動く。
「討つ」ことの意味を問い直していくんだが、過程がすごく丁寧に描かれてる。
彼の成長は復讐劇じゃなくて、青春物語としても読めるくらい。
読者としても、彼の苦悩や決断に共感するかもしれない。
読者の口コミ
【この作品が合う人の口コミ】
・仇討ちの真相が明かされる展開が見事。タイトルの意味が最後に回収される構成に感動した。
・読後感が爽やかで、心が洗われた。芝居小屋の人々の語りが温かく、涙と笑いが交錯する名作。
・語り手が章ごとに変わる構成が面白く、飽きずに一気読み。落語のような語り口が心地よい。
・時代小説は苦手だったが、人物描写と人情話に引き込まれ、他の作品も読んでみたくなった。
【この作品が合わなかった人の口コミ】
・中盤まで展開がゆっくりで、冗長に感じた。もっとテンポよく進んでほしかった。
・芝居がかった語り口が馴染めず、序盤で読むのをやめてしまった。
・江戸言葉や聞き慣れない表現が多く、読み進めるのに時間がかかった。
・仇討ちの話かと思ったら、登場人物の身の上話が中心で、期待と違った。
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(Amazonより)
読んでみた感想(ネタバレ注意)
最初は「仇討ちの話か…」ってちょっと構えてたけど、その印象がどんどん変わっていく。
芝居小屋という舞台を使って、人の人生や情が浮かび上がってくるような物語だった。
構成がすごく面白くて、芝居小屋に関わる人たちがそれぞれの視点で語っていくんだが、その語りがどれも味があって、まるで落語を聞いてるみたいな心地よさがあった。
しかも、彼らがどうして芝居小屋に流れ着いたのかっていう経緯がまた魅力的で、仇討ちの話を聞いてるはずなのに、いつの間にかその人の人生に引き込まれてる。
そして、タイトルの「あだ討ち」。
ひらがな表記の意味が最後にわかるんだけど、これがまた見事。
芝居仕立ての仇討ちっていう仕掛けが、物語の舞台とぴったり重なって、読後にスーッと胸が晴れるような爽快感があった。
主人公の菊之助も良かった。
最初は使命に縛られてる若侍って感じだったけど、芝居小屋の人たちとの関わりの中で、少しずつ変わっていく。
その成長が丁寧に描かれていて、最後には彼の決断に心から拍手を送りたくなった。
読後感はほんとに清々しい。
時代小説ってちょっと敷居が高いと思ってたけど、この作品はそんな先入観を軽く飛び越えてきた。
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『木挽町のあだ討ち』
著者:永井紗耶子



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