風俗店の電話番!?『女王様の電話番』あらすじ!性の多様性と“普通”を問い直す一冊

今回は、渡辺優さんの『女王様の電話番』という小説を紹介します!

「この世界はスーパーセックスワールドだ」──

そんな衝撃的な一文から始まる小説を、あなたは読んだことがありますか?

渡辺優『女王様の電話番』は、風俗店の電話番という一風変わった仕事を通して、自分自身の“性”と“愛”に向き合う女性の物語。

恋愛はしたいのに、性的な接触には抵抗がある。

そんな違和感を抱えながら生きる主人公・志川が、自分のセクシュアリティ=アセクシャルに気づいていく過程は、静かでありながら深く心に刺ささります。

この作品は、ただの“風俗業界小説”でも、“セクシャルマイノリティの啓発書”ではありません。

むしろ、誰もが一度は感じたことのある「自分はこの世界に馴染めているのか?」という問いに、そっと寄り添ってくれる一冊です。

読み終えたあと、きっとあなたも「普通って何だろう」と考えずにはいられないはず。

そんな物語の魅力を、今回はじっくり語ってみたいと思います。

性の多様性と“普通”を問い直す一冊
『女王様の電話番』

著者  :渡辺優
ページ数:320ページ

あらすじ

主人公の志川は、新卒で就職した不動産会社を辞め、現在、SMの女王様をデリバリーするお店の電話番をしている。

友達には「そんな職業は辞めたら?」と眉をひそめられたが、女王様の中でも美織さんという最高に素敵な人に出会い、そこそこ幸せに暮らしていた。

ある日、あこがれの美織さんと初めてごはんを食べに行く約束をして舞い上がるものの、当日にドタキャン。そのまま音信不通になってしまう。

彼女の常連のお客さんなどにこっそり連絡を取り行方を探るうちに、どうも自分の知っている美織さんとは違う面ばかりが見えてきて……。

過去、志川が不動産会社を辞めた理由は、あこがれの男性社員・星先輩と付き合う寸前に、先輩が自分に求めている性的なことが一切無理だと気づいたからだった。

好きだったのに。

付き合えないと正直に言っただけで、志川は同僚に悪女扱いをされ、そのまま会社にもいづらくなり、退社することになってしまったのだ。

私はアセクシャルなのだろうか? 「ない」ことを証明するのは、悪魔の証明だ。

もしかしたら、まだ見ぬピンクのひつじに会えるかもしれないのに……。

なんでも性的なことや恋愛に結びつける世の中に馴染めない主人公の戸惑いを通じて、現代社会を描く問題作。
(Amazonより)

見どころ

性のサービス業という“非日常”と“日常”の交錯

物語の舞台は、SM女王様を派遣する風俗店。

主人公・志川が電話番として働くこの場所は、一般的な日常からは少し離れた世界に見えるかもしれません。

しかし、そこで交わされる会話や人間関係は、驚くほどリアルで、どこか親しみを感じさせます。

この“非日常”の空間が、志川の内面を映し出す鏡のような役割を果たしており、読者は彼女の視点を通して、性や愛、孤独といった普遍的なテーマに触れていくことになります。

アセクシャルというセクシュアリティへの気づきと葛藤

本作の核となるのが、志川が自分の性的指向に気づいていく過程です。

恋愛感情はあるのに、性的欲求が湧かない──

そんな違和感に彼女は戸惑い、悩みます。

「好きなのに触れられたくない」「恋愛はしたいけど、性は求めていない」──

この複雑な感情は、アセクシャルという言葉を知ることで少しずつ輪郭を持ち始めます。

読者は彼女の揺れる心情に寄り添いながら、セクシュアリティの多様性について考えさせられるでしょう。

憧れの女王様・美織の失踪と、それを追う志川の執念

物語のもう一つの軸は、美織というカリスマ女王様の突然の失踪です。

志川は彼女を心配し、密かに行方を追い始めます。その行動力は時に危なっかしく、読者をハラハラさせますが、同時に彼女の人間らしさや情の深さを感じさせます。

美織という人物は、奔放で自由なようでいて、どこか繊細で、他者への気遣いも忘れない不思議な魅力を持っています。

彼女の存在が、志川の心を揺さぶり、物語を大きく動かしていきます。

社会の価値観への問いかけ

志川が抱える悩みは、単なる個人的な問題ではなく、社会が押しつける“普通”という価値観との衝突でもあります。

恋愛=性愛、好き=触れたい、という前提がある世界で、自分は「おかしいのではないか」と感じてしまう。

この作品は、そんな“普通”の定義を問い直します。

誰もが違う“青”を見ているかもしれない──

そんな作者のメッセージが、読者の心に静かに響きます。

他者との距離感と“理解すること”の難しさ

志川は周囲の人々と関わる中で、「理解したつもり」が相手を傷つけることもあると気づいていきます。

特別視することも、無関心でいることも、どちらも危うさを孕んでいる。

「私は私、あなたはあなた」──

そんな軽い言葉の裏にある深い意味を、読者は志川の体験を通して噛みしめることになります。

人との距離感、共感の限界、そして“わかり合えないこと”を受け入れる勇気が、この作品には込められています。

読者の口コミ

【この作品が合う人の口コミ】

キャラクターに魅力がある
美織女王様の奔放さと優しさが印象的で、物語に引き込まれた。

読書が止まらなかった
最初から最後まで面白く、ページをめくる手が止まらなかった。

セクシュアリティへの気づきがリアル
アセクシャルの主人公の悩みに共感し、自分の感情とも重なった。

多様性を考えるきっかけになった
“普通”とは何かを問い直す作品で、読後に深く考えさせられた。

【この作品が合わなかった人の口コミ】

テーマが理解しづらい
アセクシャルの描写が難しく、感情移入ができなかった。

主人公の行動に違和感
志川の行動がわがままに感じられ、共感できなかった。

物語が現実離れしている
風俗業界の描写がリアルさに欠け、創作として割り切るしかなかった。

読後に印象が薄い
一気読みしたが、しばらくすると内容を忘れてしまいそうだった。

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