推し活と陰謀論は紙一重『イン・ザ・メガチャーチ』あらすじ!ファンダム経済を描く衝撃作

今回は、朝井リョウさんの『イン・ザ・メガチャーチ』という小説を紹介します!

「推し活って、ただの趣味でしょ?」

正直そう思ってた。
誰かを応援することで日常がちょっと楽しくなる、それくらいのものだって。

でも思ってたよりずっと深かった。
怖かった。そして、めちゃくちゃ身近だった。

この小説は、推し活とか陰謀論を描いてるようでいて、実は「人はなぜ物語にすがるのか」っていう、もっと根っこの部分を突いてくる。

「視野を狭めることで人生は滑らかに進む」っていう言葉が出てくるんだけど、これがまた刺さる。

逃げてるようで、実は生きるための知恵なのかもしれないって思った。

このブログでは、『イン・ザ・メガチャーチ』を読んで感じたこと、考えたこと、そして自分の生活や価値観にどう響いたかを、ゆっくり書いていこうと思う。

読んだ人も、まだ読んでない人も、きっとどこかで「わかる…」ってなるはず。

推し活と陰謀論は紙一重
『イン・ザ・メガチャーチ』

著者  :朝井 リョウ
ページ数:448ページ

あらすじ

沈みゆく列島で、“界隈”は沸騰する――。

あるアイドルグループの運営に参画することになった、家族と離れて暮らす男。

内向的で繊細な気質ゆえ積み重なる心労を癒やしたい大学生。

仲間と楽しく舞台俳優を応援していたが、とある報道で状況が一変する女。

ファンダム経済を仕掛ける側、のめり込む側、かつてのめり込んでいた側――

世代も立場も異なる3つの視点から、人の心を動かす“物語”の功罪を炙り出す。

「神がいないこの国で人を操るには、“物語”を使うのが一番いいんですよ」
(Amazonより)

見どころ

物語の始まり

この小説、いきなり「47歳バツイチ孤独おぢ」の独白から始まるんだけど、これがもうズシンとくる。

ただの導入じゃなくて、「これ、あなたの未来かもよ」って鏡を突きつけられてるような感覚。

性別とか年齢とか関係なく、「孤独」「余ってる感」「誰かとつながりたい気持ち」って、今の時代を生きる人なら誰でも持ってるもの。

男性同士の難しさ

作中に出てくる「男が男を誘って昼から遊ぶのは難しい」ってセリフ、めちゃくちゃ刺さった。

ゴルフとかキャンプとか、何か目的がないと関係が築けないって、なんか切ない。

その一方で、「視野を狭めることの快楽」っていう考え方が出てくるが、これがまた深い。

広い視野で正しさを追い求めるより、狭い視野で熱狂してる方が生きやすいっていう皮肉。

でもそれって、今の生きづらさに対する一つの答えでもある気がする。

推し活、陰謀論、宗教的な熱狂。
どれも「視野狭窄」によって生まれる幸福の形

推し活の構造

この作品の中核には「ファンダム経済」がある。

推し活って、自分の意思でやってるようでいて、実はめちゃくちゃ巧妙に設計された物語に巻き込まれてる。

澄香が学校のパソコンで推しの動画を再生し続けるシーンなんて、もはや信仰に近い。

「自分も大学生だったらやってたかも…」って思った人、きっと多いと思う。
それくらい、推し活って日常に溶け込んでるし、無意識のうちに物語に取り込まれてる。

でも朝井リョウは、それを否定するんじゃなくて、「それが人間の性なんだよ」と表現してる。

陰謀論と推し活の共通点

澄香が陰謀論にハマっていく描写も、推し活と同じ構造。

どっちも「自分を使い切る」対象を求めてて、そこに没入することで生きる意味を見つけようとしてる。

この作品が怖いのは、推し活に夢中な人も、陰謀論に傾く人も、根っこにある欲望は同じだって冷静に描いてるところ。

読んでると「自分は違う」って思うんだけど、ふとした瞬間に「いや、自分もそうだったかも」って気づかされる。

物語の毒性

久保田が娘の推し活にのめり込む姿は、最初は親子の絆みたいに見える。

でも実は、「物語の毒」に侵されていく過程。

娘の笑顔を見て満足してるようでいて、それって結局、自分の存在価値を確認したいだけ。

誰かの物語に巻き込まれることでしか、自分の意味を見つけられないっていう、現代人の弱さが描かれてる。

ラストで久保田が娘を見つめるシーンは、読者にとっても「我に返る」瞬間。

それまでの熱狂が、冷静な視点で一気に反転する。

この構造が、物語全体の美しさと怖さを際立たせてる。

朝井リョウの凄み

この作品には「正解」がない。

むしろ、「正解を求めること自体が危うい」っていうメッセージが込められてる。

読者は、自分が何に熱中してるのか、それって本当に自分の意思なのか、問い直すことになる。

朝井リョウのすごさは、こういう複雑なテーマを、ちゃんとエンタメとして読ませながら、
読者の思考を深く揺さぶってくるところ。

『正欲』『生殖記』に続いて、また一つ、現代社会をえぐる作品を届けてくれたなって思う。

読者の口コミ

【この作品が合う人の口コミ】

自分の推し活を見直した
自分も推し活してるけど、運営に踊らされてるかも…と気づかされてゾッとした。でも面白かった。

社会のリアルに刺さる
現代の孤独や推し活の構造がリアルすぎて、自分の生活と重なって怖くなった。読む前には戻れない作品。

視野狭窄の快楽に納得
広い視野よりも、狭い視野で熱狂する方が生きやすいという逆説に深く共感。自分もそうやって生きてるかもと思った。

構造が美しい
アイドル運営と個人の物語が交差する構成が見事。最後にすべてが繋がる瞬間に鳥肌が立った。

【この作品が合わなかった人の口コミ】

物語に入り込めなかった
構造やテーマは面白いけど、登場人物に感情移入できず、物語に没入できなかった。

感情が消えた
読んでいるうちに感情が麻痺してしまった。登場人物に共感できず、ただ疲れた。

澄香の描写が苦手
澄香の陰謀論への傾倒が唐突で、納得できないまま終わった。もう少し掘り下げてほしかった。

テーマが重すぎる
現代社会の問題を詰め込みすぎて、読むのに気合が必要だった。気軽に読める作品ではない。

その他の人気作品

正欲

自分が想像できる”多様性”だけ礼賛して、秩序整えた気になって、そりゃ気持ちいいよな――。

息子が不登校になった検事・啓喜。初めての恋に気づく女子大生・八重子。

ひとつの秘密を抱える契約社員・夏月。

ある事故死をきっかけに、それぞれの人生が重なり始める。

だがその繫がりは、”多様性を尊重する時代"にとって、ひどく不都合なものだった。
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何者

就職活動を目前に控えた拓人は、同居人・光太郎の引退ライブに足を運んだ。

光太郎と別れた瑞月も来ると知っていたから――。

瑞月の留学仲間・理香が拓人たちと同じアパートに住んでいるとわかり、理香と同棲中の隆良を交えた5人は就活対策として集まるようになる。

だが、SNSや面接で発する言葉の奥に見え隠れする、本音や自意識が、彼らの関係を次第に変えて……。
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生殖記

とある家電メーカー総務部勤務の尚成は、同僚と二個体で新宿の量販店に来ています。
体組成計を買うため――ではなく、寿命を効率よく消費するために。
この本は、そんなヒトのオス個体に宿る◯◯目線の、おそらく誰も読んだことのない文字列の集積です。
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そして誰もゆとらなくなった

頑張りすぎた結婚式の余興に、10年ぶりのダンスレッスンで受けた屈辱……。
公共の場で読むのが危険なほど面白い!『時をかけるゆとり』『風と共にゆとりぬ』に続く、抱腹絶倒エッセイシリーズ完結編!

文庫書き下ろしエッセイ「ホールケーキの乱、その後」「ロスト・イン・パーソナルトレーニング」も2本収録。

【エッセイ内容】
修羅!腹痛との死闘、そして投降/戦慄!初めての催眠術体験(有料)/術後!肛門科医との忘れ難い一夜/恥辱!十年ぶりのダンスレッスン/妖怪!結婚式余興やりまくり人間/空回り!サイン会への熱烈な準備/他力本願!引っ越し面倒臭すぎる/生活習慣病!スイーツ狂いの日々/帰れ!北米&南米ハプニング旅行 など多数
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読んでみた感想(ネタバレ注意)

登場人物は、推し活にのめり込む若者たちと、孤独を抱えた47歳の中年男性。

この中年男性・久保田の語りが、最初から刺さる。

離婚して娘とは月イチのビデオ通話。
でも会話は続かない。

友人もいない。誰かとつながりたい。
でも、どうしていいかわからない。

そんな彼が、娘の推しに巻き込まれていく過程が、もう痛々しくて、でもどこか共感してしまう。

一方で、娘の澄香も、推し活に救われているようで、どんどん視野が狭くなっていく。
「視野を狭めることで人生は滑らかに進む」っていう言葉が何度も出てくるんだけど、これが本当に怖い。

広い視野で生きるのって、しんどい。
だからこそ、何かに没頭して、そこだけを見ていたい。

推し活も、陰謀論も、宗教も、全部物語にすがる行為なんだって、この作品は教えてくれた。

物語は、マーケティングによって巧妙に設計されている。
熱心なファンが勝手に布教してくれる構造。

まるでアメリカのメガチャーチのように、人が集まり、熱狂し、信じていく。
それが現代の「信仰」なのかもしれない。

「自分も何かの物語に巻き込まれてるんじゃないか?」って思った。
推し活に限らず、SNS、仕事、恋愛、家族
私たちは、何かを信じて、何かにすがって、生きている。

この作品は、そんな信じることの怖さと美しさを感じさせてくれた。

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著者:朝井 リョウ

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