今回は、誉田哲也さんの『イノセンス』という小説を紹介します!
「殺人事件も、刑事も出てこない誉田哲也?」
そう思った人に手に取ってほしい一冊。
『ストロベリーナイト』で知られる誉田哲也さんが、まったく違う表情を見せた「音楽青春小説」それが『イノセンス』。
失踪した天才ギタリストと、スランプに沈むシンガーソングライター。
音楽を軸に、迷いながらも前に進もうとする二人の姿が印象的。
ギターやバンドの専門用語が飛び交うのに、不思議と読みやすい作品。
恋愛に頼らず、音楽と人とのつながりだけで物語が進んでいく現代的な空気感。
「好きなことを仕事にするのは苦しいが尊い」
そんな気づきをくれる作品。
音楽が好きな人も、創作に悩んでいる人も、少し立ち止まりたい大人にも。
このブログでは、『イノセンス』の魅力をゆっくりと掘り下げていく。

大人の青春とギターの物語
『イノセンス』
著者 :誉田哲也
ページ数:480ページ
あらすじ
音楽活動に行き詰まった立石梨紅は、数年前に業界から消えた人気ロックバンドのギタリスト・伊丹孔善の楽曲と出会う。
彼にアドバイスをもらおうとするも、消息は不明。
自身の手で探そうと決意するが……。
天才ギタリストは、一体どこに消えたのか――。
(Amazonより)
見どころ
白の世界
誉田作品といえば、犯罪や暴力が渦巻く「黒」の世界を思い浮かべる人が多い。
けれど『イノセンス』は、そのイメージを裏切る一冊。
殺人も事件も起こらない、静かで温かな物語。
失踪した天才ギタリスト・伊丹孔善と、スランプに悩むシンガーソングライター・立石梨紅。
二人が音楽を通して少しずつ立ち直っていく姿が描かれている。
誉田さん自身が音楽活動をしていたこともあり、音への触れ方はリアリティと愛情がたっぷり。
音楽への深い愛
ギターやバンドにまつわる専門用語が多く登場するが、それがむしろ作品の魅力。
「聴く側」ではなく「創る側」の視点がしっかり描かれていて、楽曲制作の葛藤やこだわりが生々しく伝わってくる。
特に、梨紅が自分の曲に納得できず、孔善に助言を求める場面は、創作に向き合う真摯さが胸に響く。
温かさと人間味
この物語には、いわゆる「悪人」がほとんど出てこない。
梨紅の明るさ、孔善の不器用だけれど誠実な人柄、そして二人を見守る山形の人々の温かさ。
どの人物も自然体で優しい印象が残る。
保護犬のコンちゃんの存在も、印象的。
好きを仕事にすること
音楽という不安定な世界で生きる二人の姿からは、「好き」を仕事にすることの苦しさと、それでも向き合い続ける尊さが伝わってくる。
妥協せず、自分の納得のいく形を追い求める姿勢は、音楽に限らず、あらゆる創作や仕事に通じるもの。
読んでいると、自然と自分の人生にも重ねて考えてしまう。
恋愛に頼らない
孔善と梨紅の関係は、恋愛に落とし込まれることなく、音楽への情熱と互いへの尊敬を軸に進んでいく。
周囲がどう見ようと、二人はあくまで音楽を通して繋がっていく。
その距離感がちょうどいい関係性。
読者の口コミ
【この作品が合う人の口コミ】
・誉田作品の新たな魅力
サスペンスとは違う“白誉田”の穏やかな作風に惹かれた。もっと読みたい。
・音楽好きにはたまらない
音楽制作の裏側やギター談義がリアルで、読んでいてワクワクした。
・登場人物がみんな優しい
悪人が出てこない世界観に癒された。読後感がとても清々しい。
・スランプからの再生に共感
創作に悩む主人公の姿が自分と重なり、励まされた気持ちになった。
【この作品が合わなかった人の口コミ】
・急なハッピーエンドに違和感
重めの展開から一気にまとめに入った印象で、もう少し余韻が欲しかった。
・展開が読めすぎる
途中から物語の流れが予想通りで、驚きが少なかった。
・音楽用語が難しい
ギターやバンドの専門用語が多く、音楽に詳しくないと置いてけぼり感がある。
・毒気が足りない
誉田哲也らしい緊張感や刺激がなく、物足りなさを感じた。
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読んでみた感想(ネタバレ注意)
誉田哲也の新作を開いた瞬間、「あれ、こんな話を書く人だったっけ?」と少し戸惑いがあった。
いつもの鋭さや緊張感はなく、代わりに温かいもの描かれているような感じ。
「白誉田」と呼ばれるタイプの作品らしいが、それにしてもここまで穏やかな世界観は久しぶり。
物語の中心にいるのは、音楽に行き詰まった若いシンガーソングライターと、音楽から距離を置いてしまった元ギタリスト。
この二人の関係が、恋愛でも師弟でもなく、曖昧で人間くさい「つながり」として描かれているのがよかった。
お互いに踏み込みすぎず、だが確かに影響し合っている、その距離感がいい。
音楽の専門用語は正直わからないところも多かったが、そこが逆に「創作の現場を覗き見している」ような臨場感につながっている気がした。
音楽をやっていない人でも、何かを作る苦しさや、ふとした瞬間に光が差すあの感覚はきっと共通なんだと思う。
それから、登場人物がみんな優しい。
悪意で物語を動かす人がほとんどいないので、読んでいて心が疲れない。
田舎の空気や、保護犬の存在も相まって、全体にふわっとした印象。
派手な事件も劇的な展開もない作品。
「こういう誉田哲也も悪くないな」と素直に思えた。
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『イノセンス』
著/誉田哲也



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