今回は、櫛木理宇さんの『悲鳴』という小説を紹介します!
「読んでる間、ずっと息が詰まる」
ページをめくるたびに心が落ち着かない。
何度本を閉じようかと思ったか…。
でも、止まらなかった。止められなかった。
これは、助かったはずの少女が、助かった先でも地獄を見せられる話。
昭和の価値観が色濃く残る田舎町。
その土地に根付いた因習、男尊女卑、同調圧力。
誰もが「普通」と思っていることが、どれだけ人を傷つけているか。
この作品は、それを容赦なく突きつけてくる。
読んでいてしんどい。だけど、目が離せない。
なぜなら、そこには声を上げられなかった人たちの叫びがあるから。
その叫びは、もしかしたら、あなたの心の奥にも響くかもしれない。

昭和の田舎に潜む闇と女性たちの“生きづらさ”を描いた衝撃作
『悲鳴』
著者 :櫛木理宇
ページ数:432ページ
あらすじ
サチは美しく利発な少女だった。
だが彼女は誘拐され、何年も男に監禁された。
教育を、青春を奪われ、子を産まされ……けれどようやく事件は発覚し、生還を果たし た。
しかしそれは新たな苦痛の始まりだった。
旧弊な価値観のまま変化のない住人による嫌がらせや無理解に疲弊する彼女の元へ
ある日段ボールに入った白骨死体が届く。
これがホンモノのサチだ、と。
――積み重なる悪意の根幹に何があるのか?
(Amazonより)
見どころ
閉鎖的な村社会が生む異常
この物語の舞台「馬伏町」は、昭和の価値観が根強く残る田舎町。
外の世界とほとんど接点がなく、村の常識がすべてを支配しているような場所だ。
その空気の中では、何が異常で何が正常かの境界が曖昧になっていく。
誘拐や監禁といった明らかな犯罪でさえ、村の風習や人間関係の中に埋もれてしまい、誰も声を上げない。
読んでいると、そんな見えない暴力に強烈な不快感を覚える。
でも同時に、「これ、現実にもあるよな…」と気づかされる瞬間がある。
読者の多くが「こんな場所に生きるのは地獄」と感じるほど、作品全体を覆う閉塞感は圧倒的だった
声なき悲鳴
主人公のサチは、11歳で誘拐され、11年間監禁される。
その人生だけでも壮絶なのに、救出された後に待っていたのは、村の偏見と好奇の目。
「女だから」「汚れたから」「恥だから」
そんな理不尽な言葉が、彼女の存在を否定し続ける。
サチは大声で叫んだりしない。
でも、彼女の沈黙や行動、周囲の反応を通して、読者には確かに悲鳴が届いてくるような。
それはサチ個人のものだけじゃなくて、社会の中で声を上げられない人たち全体の叫びでもある。
想像力の欠如
物語は、サチの同級生・隆行の視点で進んでいく。
彼は事件を間接的に経験し、11年後にサチと再会することで、彼女の人生と向き合うことになる。
この男性視点が興味深いのは、彼自身が無自覚な加害性や想像力の欠如に気づいていく過程が描かれていること。
女性の気持ちを勝手に決めつけたり、セクハラを冗談で済ませたり
そんな場面に、読者も「自分はどうだろう」と考えさせられる。
隆行がスナックのママの本心に気づく場面は、男性が女性の立場を理解するための学びとして印象的。
救いの光
サチの周りには、彼女を支えようとする女性たちがいた。
スナックのママ、美幸、香子
それぞれが違う立場で生きづらさを抱えながらも、サチに寄り添っていく。
特にスナックのママは、若い女性たちを守るために道化を演じていて、読者からも「もっと出番が欲しかった」との声が多かったみたい。
そして、サチがコッコという人生のパートナーと出会い、自分の道を歩き始めるラスト。
この一筋の光があることで、物語はただの悲劇ではなく、希望の物語として心に刻まれる。
実在の事件と倫理的問い
この作品は、新潟で実際に起きた少女監禁事件を思い出させる設定になっている。
だからこそ、「もし被害者や家族がこの本を読んだらどう思うだろう」といった倫理的な問いを抱く読者もいる。
櫛木理宇は、フィクションとしての枠を守りながら、現実の社会問題を照らす手段としてこの題材を選んでいるようです。
その距離感に対する感じ方は人それぞれだけど、犯罪は社会の鏡であるというテーマが根底にあるからこそ、読者はこの物語を通して自分の社会を見つめ直すキッカケになる。
読者の口コミ
【この作品が合う人の口コミ】
・ラストに救いがあってよかった
重い話の中にも希望があり、サチが自分の人生を取り戻す姿に胸を打たれた。
・リアルな描写に引き込まれた
田舎の因習や女性の生きづらさがリアルすぎて、読むのが苦しいほどだったが、目を背けてはいけないテーマだと感じた。
・社会問題への鋭い視点が良い
犯罪を通して社会の歪みを描いていて、フィクションながら現実を突きつけられるような読後感があった。
・登場人物の心理描写が秀逸
被害者だけでなく周囲の人々の感情の揺れが丁寧に描かれていて、物語に深みがあった。
【この作品が合わなかった人の口コミ】
・登場人物の言動に共感できない
村の人々の価値観や行動があまりにも理不尽で、感情移入ができなかった。
・不快感が強すぎて読むのが辛い
閉鎖的な村の描写や性暴力の描写があまりにも生々しく、読後に重苦しさしか残らなかった。
・実在の事件を思い出してしまう
新潟の監禁事件を彷彿とさせる内容で、フィクションとして楽しむには抵抗があった。
・ミステリーとしては物足りない
事件の謎解きよりも社会描写が中心で、サスペンスを期待して読むと肩透かしだった。
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読んでみた感想(ネタバレ注意)
読んでる間ずっと、きつかった。
ただの誘拐・監禁事件を描いた小説じゃなくてむしろ、そこから助かった後の方が地獄だったっていう、読者の心をえぐるような物語。
かなりしんどい…。
主人公のサチは、11歳で誘拐されて、11年間監禁される。
その間にレイプされ、妊娠し、出産までさせられる。
ようやく救出されたと思ったら、待っていたのは救いじゃなくて、田舎の村の冷たい視線と、無自覚な悪意。
「穢れた者」「腫れ物」扱いされて、家族ですらまともに向き合ってくれない。
しかも、彼女の元に届いたのは「本物のサチ」と書かれた白骨死体。
もう、どこまで追い詰めるのかってくらい、容赦ない展開。
この作品がすごいのは、ただの被害者の悲劇を描くだけじゃなくて、田舎の因習とか、男尊女卑とか、同調圧力とか、現代にも通じる見えない暴力、圧力をこれでもかってくらい突きつけてくるところ。
しんどいけど目をそらしちゃいけない話だとも思った。
ラストには少しだけ希望があって、それが救いだった。
サチが完全に壊れてしまわなかったこと、そして彼女の悲鳴が誰かに届いたこと。
それだけでも、この物語を読んだ意味があった気がする。
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『悲鳴』
著者:櫛木理宇




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