実話が元ネタ?『ゴリラ裁判の日』あらすじ!プロレスと法廷が交差する異色作

今回は、須藤古都離さんの『ゴリラ裁判の日』という小説を紹介します!

こんな裁判劇、今までに読んだことがない!

主人公は、なんと「手話で人間と会話するゴリラ」ローズ。

物語の中心にあるのは、「動物に人権はあるのか?」というちょっと重くて深い問い。

ローズの生き方を通して、社会の矛盾とか、人間の傲慢さとか、言葉の力とその怖さまで描かれていく。

自分自身のことを問われてるような気がしてくる。

『ゴリラ裁判の日』は、アイデアの奇抜さはもちろんだがちゃんと中身がある。

読み終わったあと、「人間って何だろう」と考えたくなる。

そんな一冊の魅力を、これからじっくり紹介していこうと思う。

プロレスと法廷が交差する異色作
『ゴリラ裁判の日』

著者  :須藤古都離
ページ数:400ページ

あらすじ

カメルーンで生まれたニシローランドゴリラ、名前はローズ。

メス、というよりも女性と言った方がいいだろう。

ローズは人間に匹敵する知能を持ち、言葉を理解し「会話」もできる。

彼女は運命に導かれ、アメリカの動物園で暮らすようになり、そこで出会ったゴリラと愛を育み、夫婦の関係となった。

だが ―― 。

その夫ゴリラが、人間の子どもを助けるためにという理由で、銃で殺されてしまう。

どうしても許せない。

ローズは、夫のために、そして自分のために、人間に対して裁判で闘いを挑む!

正義とは何か?
人間とは何か?

ゴリラの命は人間よりも軽いのか
(Amazonより)

見どころ

ゴリラが主人公という衝撃の設定

まず何より驚くのが、主人公が「手話で人間と会話するゴリラ」ということ。

フィクションだけど、実在したゴリラ「ココ」や「ハランベ事件」がベースになっているが、想像力が凄い!

読み始めたらすぐに引き込まれる。

法廷劇としての緊張感と知的興奮

物語の中心は「言語能力のある動物に人権はあるのか?」という裁判。

弁護士ダニエルの論理と、ローズ自身の証言が、読者の価値観を揺さぶってくる。

人種差別や障害者差別の歴史とも重なって、「人間とは何か」という根源的な問いに迫る展開が見もの!

奇抜なタイトルだが、扱うテーマは深い。

ローズの知性とアイデンティティの揺らぎ

ローズはゴリラでありながら、人間以上に理性的にふるまう場面もある。

でもその知性があるからこそ、「自分は何者なのか」と悩む姿がどこか切ない…。

彼女の視点から見た人間社会の矛盾が現代人を突き刺さしてくる。

まさかのプロレス展開

中盤でローズがプロレスラーになるという意外な展開が登場。

一見突飛だけど、「暴力ではなく言葉で闘う」というテーマとの対比にもなっている。

アメリカ的なエンタメと社会派テーマの融合が見事。

言葉の力と呪い

ローズは言葉を持ったことで人間と通じ合えるようになるが、同時に言葉によって傷つき、孤独になるという側面も…。

動物が裁判を起こすという奇抜な設定を超えて、人間社会の構造、倫理、そして「共に生きるとは何か」を問いかけてくる。

今の時代にこそ読まれるべき、力のある物語だった。

読者の口コミ

【この作品が合う人の口コミ】

・言葉を持つことで生まれる孤独や痛みの描写がリアルで、読後に余韻が残る。

・「人間とは何か?」を深く考えさせられるテーマに感動。
 ローズの知性と葛藤が胸を打つ。

・法廷劇としての緊張感と社会派テーマの融合が見事で、読み応えがあった。

・プロレス展開も含めてエンタメ性が高く、最後まで飽きずに読めた。

【この作品が合わなかった人の口コミ】

・テーマは興味深いが、設定の詰めが甘くご都合主義に見えた。

・ローズの思考が人間的すぎて、リアリティに欠けると感じた。

・裁判の構成が唐突で、時系列の飛び方に違和感があった。

・プロレスの展開が突飛で、物語のトーンと合っていないと感じた。

その他の人気作品

ゾンビがいた季節

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(Amazonより)

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(Amazonより)

読んでみた感想(ネタバレ注意)

手話を使って人間と会話するニシローランドゴリラのローズが主人公。

最初はその設定に驚いたし、正直ちょっと構えて読んでた。

物語は、夫を射殺されたローズが「人間の子どもを守るためだった」という理屈に納得できず、動物園を訴えるところから始まる。

でも、裁判は敗訴。
そこから彼女は自分を見失い、まさかのプロレスの世界へ。

この展開、突飛に見えるけど、実はすごく意味があった。
「暴力」と「言葉」、どちらで闘うのか。

ローズがプロレスのリングに立つことで、彼女の中にある怒りや悲しみ、そして「伝えたい」という思いが強く浮かび上がってくる。

特に印象に残ったのは、プロレス団体のギャビン。

彼はローズに対して辛辣な言葉を投げかけるけど、実は誰よりも彼女の本質を見抜いていた。
プロレスファンじゃなくても、彼の存在には拍手を送りたくなる。

そして、再び挑む裁判。

「人間とは何か」
「言葉を持つとはどういうことか」

人間社会の矛盾や傲慢さ、そして「人間らしさ」の定義を、ローズという存在を通して突きつけてくる。
心に残った言葉がある。

「たとえ私がゴリラでも、私は人間である」

この一言に、彼女のすべてが詰まっていた気がした。

奇抜な設定に見えて、実はとても真っ直ぐで、深くて、優しい物語。

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著/須藤古都離

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