600ページ超のSF大作『ファウンテンブルーの魔人たち』あらすじ!奇想天外な設定と哲学的テーマが炸裂!

今回は、白石一文さんの『ファウンテンブルーの魔人たち』という小説を紹介します!

新宿二丁目に隕石が落ちた――

そんなニュースが現実に流れたら、あなたはどう感じるだろうか。

驚き?不安?それとも、物語の始まりを予感するだろうか。

白石一文の『ファウンテンブルーの魔人たち』は、そんな突飛な出来事から幕を開ける。

600ページを超えるこの長編は、幽体離脱、AIロボット、人工子宮、白い幽霊、そして“地球の根本原理”という壮大なテーマを内包しながら、読者を現実と幻想の狭間へと引きずり込む。

一見すると荒唐無稽。だが読み進めるうちに、奇妙な設定が妙にリアルに感じられてくる。

それは、白石一文が描く“人間”という存在の深さに触れるからだ。性とは何か。生きるとは何か。

そして、未来において人間はどこへ向かうのか。

このブログでは、そんな白石ワールドの核心に迫りながら、読者の声とともに作品の魅力を紐解いていく。

読み終えたとき、あなたの中の“常識”が少しだけ揺らいでいるかもしれない。

さあ、魔人たちの住むタワーへ――。

奇想天外な設定と哲学的テーマが炸裂!
『ファウンテンブルーの魔人たち』

著者  :白石一文
ページ数:832ページ

あらすじ

17階の住人が3人、立て続けに死んだらしいよ――

前沢倫文は、超高層マンション「ファウンテンブルータワー新宿」の58階で、大学生の恋人・英理と暮らしていた。

連続不審死と時を同じくして、マンション内では〝白い幽霊〟の目撃談が相次ぐ。

前沢が事件について調べ始めると、徐々にブルータワーに隠された秘密が明らかになり始め……。

隕石落下、AIロボット、電子音楽家、大いなる実験――

そして待ち受けていた驚愕のラストとは⁉
(Amazonより)

見どころ

奇想天外な設定とリアリティの融合

この作品の最大の特徴は、荒唐無稽とも言える設定が、なぜかすんなりと受け入れられてしまう不思議なリアリティを持っていることです。

新宿二丁目に隕石が落下し、その跡地に建てられたタワーマンション「ファウンテンブルータワー新宿」が舞台。

そこに住む作家・倫文が、恋人・英理とともに、幽体離脱やAIロボット、白い幽霊、米露中の要人の連続死など、現実離れした出来事に巻き込まれていきます。

一見するとSFやファンタジーのようですが、登場人物の感情や日常の描写が非常に細やかで、読者は「これはもしかして現実に起こり得るのでは?」という錯覚に陥ります。

白石一文の筆致が、突飛な設定に説得力を与えているのです。

性と存在に対する哲学的問い

物語の根底には、「人間とは何か」「性とは何か」という深い問いが流れています。

登場人物の多くが同性愛者であったり、性別が曖昧だったり、人工子宮や無性欲者の存在が描かれたりと、現代社会が抱えるジェンダーや生殖に関する問題が、物語の中で大胆に展開されます。

特に印象的なのは、「性別が不要になる未来」や「人類の進化としての無性欲」というテーマ。

これは単なるSF的アイデアではなく、現代の少子化やジェンダー論、テクノロジーの進化を背景にした、非常に現実的な問いかけでもあります。

Tという存在と地球の根本原理

物語の中盤以降、登場する“T”という謎の存在が、物語の核心に迫っていきます。

Tは「テラス」や「怪物」とも呼ばれ、世界の真の姿を隠す巨大な遮断幕を垂らしている存在として描かれます。

このTの正体や目的が、地球の「根本原理」を書き換えるという壮大なテーマに繋がっていくのです。

この「根本原理の更新」という概念は、読者にとって非常に難解でありながらも、老化や性差の問題を解決する可能性を秘めたものとして提示されます。

読者は、倫理観や人間の本質について深く考えさせられることになります。

読者を翻弄する構成と語り口

600ページを超える長編でありながら、物語は軽快に進みます。

登場人物の会話はあっさりしていて読みやすく、随所に仕掛けが施されており、読者は何度も驚かされます。

英理の性別に関するトリックや、マサシゲというAIロボットの存在、幽体離脱による過去との接触など、物語の構造自体が読者の思考を揺さぶります。

ただし、ラストにかけては「結末が描かれずに終わる」「白黒つけてほしかった」という声も多く、読後にモヤモヤが残る構成になっています。

それもまた、白石作品らしい余韻の残し方と言えるでしょう。

白石一文の作風の変化と挑戦

本作は、白石一文の作風が大きく変化したことを示す作品でもあります。

初期の福岡を舞台にしたローカルな人間ドラマから、近年はスケールの大きなSFや超常現象を扱う作品へと移行しており、本作はその集大成とも言える挑戦作です。

村上春樹の『1Q84』や窪美澄、村田沙耶香の作品を彷彿とさせるような荒唐無稽さと、白石一文ならではの哲学的な深みが融合した、唯一無二の世界観が展開されています。

読者の口コミ

【この作品が合う人の口コミ】

・白石一文の進化を感じた
初期作品とは違うスケール感。SFや超常現象を扱う挑戦的な作風が新鮮だった。

奇抜な設定がクセになる
荒唐無稽な世界観なのに、なぜかすんなり受け入れられた。白石作品らしい深みがある。

哲学的テーマに惹かれた
性や人間の存在に対する問いが重層的に描かれていて、考えさせられる内容だった。

600ページでも飽きなかった
分厚い本なのに、少しずつ明かされる秘密に引き込まれて最後まで読めた。

【この作品が合わなかった人の口コミ】

長すぎて読むのが苦痛だった
600ページ超のボリュームに圧倒され、途中で挫折した。

設定が突飛すぎてついていけない
幽体離脱やAIロボットなど、現実離れした展開に混乱した。

登場人物に感情移入できない
誰にも心を寄せられず、物語に入り込めなかった。

結末があっけなさすぎる
ラストが描かれずに終わってしまい、読後にモヤモヤが残った。

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