今回は、青山美智子さんの『チョコレート・ピース』という小説を紹介します!
まるで小さな宝石箱を開けるような体験――
ページをめくった瞬間、そこには「チョコレート」とともに生きてきた誰かの記憶が詰まっていました。
甘くて、ほろ苦くて、ときどき切なくて。
それなのに、口に含むとふわっと心が温かくなる。
そんな物語たちが、ぎゅっと詰まった一冊『チョコレート・ピース』。
読み終えたあと、静かな感動とともに、なぜだか一粒のチョコが恋しくなる――
それは、きっとこの本があなたの心のどこかにそっと触れたから。

甘く切ない驚きの仕掛け
『チョコレート・ピース』
著者 :青山美智子
ページ数:176ページ
あらすじ
その一瞬に、
祝福の一粒を。
チョコバナナ、キューブチョコ、マカダミアナッツチョコ、
チョコチップクッキー、アソートチョコ……
人生の小さな曲がり角にちりばめられた
彩りさまざまなチョコレートが
主人公の背中をそっと押す――
チョコバナナ×恋の予感
キューブチョコ×推し活
マカダミアナッツチョコ×結婚
チョコチップクッキー×友情
シガーチョコ×大人
ハイカカオ×失恋
チョコレートアソート×決意 ……etc.
受け取って、差し出して――
祝福の連鎖が動きはじめる
(Amazonより)
見どころ
12篇がつながる、人生の“欠片”たち
前半のBox1に収められているのは、チョコレートをテーマにした短い12のお話。
最初は、まるで少女漫画のように可愛い恋や青春のキラメキが描かれていて、それぞれ独立した話に見えるかもしれません。
ところが物語が進むにつれて、ふと気づくのです。
あれ?登場人物たちの年齢が少しずつ上がっていってる…?
そう、これは断片的に語られた“ひとりの女性の半生”なのです。
年齢やシチュエーションが変わっても、その根っこに流れる気持ちは繋がっていて、いつしか読者自身の記憶や想いと交差し始めます。
Box2で明かされる“相手の想い”
後半のBox2では、Box1で描かれた出来事に「その時、相手は何を感じていたのか?」という視点が加わります。
例えば、甘酸っぱい別れのワンシーン。
女性が「さようなら」と告げて立ち去ったあの瞬間、彼は本当は「待って」と声をかけようとしていた――そんな“裏側”が語られるのです。
たった数ページの短編なのに、読後にはまるで長編小説を読んだかのような深い余韻が残ります。
正面からは見えなかった感情が、言葉の裏や間からじわじわと浮かび上がってくる。
この構成が、本当に巧妙で繊細なんです。
チョコレートというアイテムの魔法
作中にはさまざまな種類のチョコレートが登場します。
キューブチョコ、チョコバナナ、ビターチョコ、ボンボンショコラ――
どれも甘さだけではなく、苦味や酸味、時には塩味までも感じさせる“人生のフレーバー”を映し出すモチーフになっていて、それがまた秀逸。
まるで“口にした瞬間、そのときの感情がよみがえる”ような演出がなされていて、読んでいるだけで五感が刺激される体験になります。
余韻までおいしい
最後に添えられているエッセイ「ふたつのチョコレート」では、作家本人の経験が綴られます。
泣きながら何かを食べた記憶。悲しみと空腹と、目の前の料理。
読者の誰もが一度は経験したことのある“味がしない食事”が、エッセイを通して静かに胸を打ちます。
どこかで諦めていた感情が、この文章を読むことで再び立ち上がり、「それでも食べて、進むしかない」と前を向かせてくれる
そんな力に満ちています。
少女漫画ファンにも刺さる“感情のゆらぎ”
本作の語り口や主人公の心の動きは、少女漫画のエッセンスと非常に相性がいいです。
ティーンの淡い恋、言葉にできない想い、大人になってからの葛藤…
『りぼん』や『ちゃお』で連載されたとしても、間違いなくファンの心を捉えるでしょう。
それくらいリアルで、繊細で、共感を呼ぶキャラクターたちが描かれています。
ひとつの人生をチョコレートに例えて、そっと手渡してくれるような一冊です。
読後、コンビニで思わず板チョコを手に取りたくなるような、そんな優しさと魔法に満ちている『チョコレート・ピース』
ぜひ、あなたの「人生の欠片」とも重ね合わせながら味わってみてください。
読者の口コミ
【この作品が合う人の口コミ】
・疲れた心に寄り添ってくれるような作品。青山さんの優しさが文章ににじんでいる。
・Box1で1人の女性の人生を描いていたとわかる構成に衝撃と感動。読み返したくなる。
・Box2で相手目線が描かれることで、登場人物の想いが立体的に。温かな余韻が残った。
・1編が数ページでサクッと読めるのに、心を揺さぶる力がすごい。スキマ時間に最適。
【この作品が合わなかった人の口コミ】
・やさしすぎてインパクトに欠けるとの声も。もっと深い心理描写を求める人には不向き。
・BOX1の完成度に比べて、BOX2のラストに物足りなさを感じた読者もいた。
・青春エピソードや登場人物の年齢層が若めで、大人の読者には刺さりにくいとの意見も。
・恋愛要素が中心なので、甘めな展開が合わない人にはやや退屈かも。
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『チョコレート・ピース』
著者:青山美智子





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