今回は、井上真偽さんの『アリアドネの声』という小説を紹介します!
地下5階。
火災と浸水が迫る、逃げ場のない空間。
そこに取り残されたのは、「見えない・聞こえない・話せない」三重の障害を持つ女性。
そんな極限状況で、彼女を救う唯一の手段が「ドローンによる遠隔誘導」
人間の限界ってどこにあるんだろう?
信じるってどういうこと?
希望って、どんな形で人を動かすんだろう?
よく「どんでん返しがすごい」って言われるけど、この作品はラスト一行で驚かせるタイプではない。
読み進めるうちに、少しずつ心に積もっていく「気付き」こそが、本当の驚きなんだと思う。
この記事では、『アリアドネの声』の魅力を、ネタバレも交えながらじっくり語っていきます。
読み終えたあと、きっとあなたも「人間って、すごいな」って思うはず。

どんでん返しよりも心に残る
『アリアドネの声』
著者 :井上真偽
ページ数:308ページ
あらすじ
巨大地震が地下都市を襲い、女性が遭難。
しかも、彼女は「見えない、聞こえない、話せない」三つの障害を抱えていた。
頼みの綱は一台のドローン。
操縦士のハルオは、遠隔から要救助者を発見し、安全地帯まで誘導するという前代未聞の作戦を任される。
迫る浸水。猶予は六時間。女性の未来は脱出か、死か――。
(Amazonより)
見どころ
救出劇の緊迫感
舞台は、巨大地震で崩壊した地下都市。
火災と浸水が迫る中、取り残されたのは「見えない・聞こえない・話せない」三重障害を持つ女性、中川博美。
彼女を救うのは、ドローン操縦士の高木春生。
しかも、遠隔操作で誘導するしかないっていう、前代未聞のミッション。
もう、設定だけで手に汗握る。
物語は、地下の構造が迷路みたいところをドローンの視点で進んでいく。
博美のちょっとした動きや反応に一喜一憂して、「今の行動、どういう意味?」って考えながら読み進めるのがめちゃくちゃ面白い。
そしてその「謎」が、物語を引っ張っていく。
無理だと思えば、そこが限界だ
高木の心にずっと残ってるのが、亡くなった兄の言葉「無理だと思えば、そこが限界だ」
最初はこの言葉が彼を縛ってて、プレッシャーにもなってるが、物語が進むにつれて少しずつその意味が変わってくる。
ただの「呪い」だった言葉が、希望の言葉に変わる瞬間があって、そこがグッときた。
「無理」って思った時こそ、人は別の可能性を探し始め、そういう力があるんだって、思わせてくれる。
この言葉の変化が、物語の転換点にもなっているのもいい。
障害者への偏見と打破
博美の三重障害っていう設定は、ただの背景じゃなくて、物語の核になってる。
彼女の行動に対して、「本当に見えてないの?」「聞こえてるんじゃない?」って疑う人たちが出てくるが、現代のSNSとかでもよくある「疑いの目」と重なる。
でも、ラストでその疑念がわかる瞬間があり、自分の中の偏見を突きつけられる。
「見えない・聞こえない・話せない」っていう制限の中で、博美がどれだけ強く、どれだけ賢く動いていたかがわかると、言葉が出ない。
ものすごく力強いメッセージ力がある。
どんでん返しの功罪
帯に「一生もののどんでん返し」って書かれてるから、読者としては「いつ驚かされるんだ?」って構えちゃう。
そのせいで、伏線にばっかり目がいって、本質を見失いそう…。
でも実際のラストは、びっくりっていうより「そうだったのか…」っていう納得と感動。
博美の行動のすべてに意味があったってわかった瞬間、静かに心が震える。
だからこの作品は、どんでん返しを楽しむというより、「人間の可能性と信頼の物語」として読んでほしい。
そのほうが、ずっと深く響くと思う。
読者の口コミ
【この作品が合う人の口コミ】
・社会的テーマが深い
障害者への偏見やSNS社会の問題を描いていて、考えさせられる内容だった。
・感動的なラストに涙
障害を持つ女性の強さと、主人公の成長に心打たれた。読後感が爽やかで満足。
・スリリングな展開に一気読み
ドローンによる救助という斬新な設定が面白く、緊迫感が途切れず最後まで読めた。
・伏線回収が見事
疑念を抱かせる描写がすべてラストに繋がっていて、納得と驚きが同時に訪れた。
【この作品が合わなかった人の口コミ】
・リアリティに欠ける描写
地下都市やドローン誘導の展開がゲーム的で、現実味が薄く感じた。
・「どんでん返し」の煽りが逆効果
帯の文言で構えてしまい、驚きが半減。もっと自然に読みたかった。
・ミステリーとしては物足りない
サスペンス要素はあるが、謎解きや意外性が弱く、期待したほどではなかった。
・キャラに魅力を感じない
セリフが臭く感じてしまい、登場人物に感情移入できなかった。
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読んでみた感想(ネタバレ注意)
読んでみてまず思ったのは、「設定がすごいな」ってこと。
地下5階、火災と浸水が迫る中で、目も見えず、耳も聞こえず、声も出せない女性をドローンで誘導して救出。
しかも、時間との勝負。
息が詰まりそうな展開。
主人公の高木が抱えてる過去とか、兄の死とか、母親の精神状態とか、いろんな要素が絡み合っててくるが、最初は「そんなに詰め込む?」と思った。
だけどそれぞれがちゃんと意味を持ってることがわかってくる。
中川博美っていう要救助者の存在もすごく印象的。
彼女の行動に「本当に見えてないの?」とか「聞こえてるんじゃ?」って疑いの目を向ける人たちが出てくる。
現代のSNS社会にも通じるものがあるなって感じた。
最後にその疑念が全部伏線だったってわかったときは、ちょっと鳥肌立った。
あと、帯に「一生モノのどんでん返し」って書いてあったから、正直ちょっと構えて読んだけど、実際は、ラストで「うわっ!」って驚くというより、「そうだったのか…」って静かに納得する感じ。
全体としては、緊迫感もあるし、感動もあるし、考えさせられることも多い。
人間って、極限の状況でも信じ合えるんだなって思えたし、「無理だと思えば、そこが限界だ」っていう言葉の意味が変わっていく過程もすごく良かった。
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『アリアドネの声』
著/井上真偽



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