今回は、青山美智子さんの『赤と青とエスキース』という小説を紹介します!
一枚の絵が繋ぐ、長い時間の物語——『赤と青とエスキース』
「短編集だと思っていたのに、最後のページで全てが繋がる瞬間、鳥肌が立った。」
そんな感覚を味わったことはありますか?
青山美智子さんの『赤と青とエスキース』は、まさにそんな驚きと感動を味わえる作品です。
オーストラリア留学中に描かれた一枚の絵「エスキース」が、人々の人生に関わりながら時を超えて旅をする。
さまざまな物語が穏やかに流れていく中で、最後に読者は一つの真実にたどり着きます
——これは単なる短編集ではなく、一つの壮大な人生の物語だったのだと。
「赤」と「青」、そして「エスキース」。
タイトルに込められた意味が明らかになる瞬間は、まるで額縁にぴったり収まる絵画のように、読者の心に鮮やかな余韻を残します。
読むほどに深く染み渡る物語の美しさ。
ぜひ、この感動をあなた自身の目で確かめてみてください。

一枚の絵が紡ぐ長編物語
『赤と青とエスキース』
著者 :青山美智子
ページ数:240ページ
あらすじ
メルボルンに留学中の女子大生・レイは、現地に住む日系人・ブーと恋に落ちる
彼らは「期間限定の恋人」として付き合い始めるが……(「金魚とカワセミ」)。
額縁工房に勤める空知は、仕事を淡々とこなす毎日に迷いを感じていた。
そんな時、「エスキース」というタイトルの絵に出会い……(「東京タワーとアーツセンター」)。
一枚の絵画をめぐる、五つの愛の物語。
彼らの想いが繋がる時、奇跡のような真実が現れる――。
(Amazonより)
見どころ
絵画「エスキース」が繋ぐ人生
本作のタイトルにもなっている「エスキース(下絵)」という肖像画。この絵は、主人公レイが留学中にジャック・ジャクソンによって描かれたものですが、その後、多くの人の手に渡ります。
額装職人が額縁を作り、画廊に展示され、喫茶店に飾られ、漫画家のインタビューにも登場するなど、絵の旅路を追うことで、時代の流れや登場人物の人生の変遷を感じることができます。
まるで絵画そのものが生きているかのような物語の繋がりが、この作品の大きな見どころです。
赤と青の意味と対比
作中では「赤」と「青」という色が幾度も登場し、それぞれの色が象徴するものが巧みに描かれています。
例えば、赤は情熱や愛、青は冷静や時間の流れを表し、それらが登場人物の心情や物語のテーマとリンクしていきます。
そして、読了後に「ああ、このタイトルの『赤と青とエスキース』にはこういう意味が込められていたのか!」と気づく瞬間が、この作品の醍醐味の一つです。
エピローグでの衝撃的な展開
本作は、「短編集のような長編小説」として物語が展開していきますが、ラストのエピローグで全てが繋がります。
実は各章で登場していた人物が、年月を経たレイとブーだったと判明する構成になっており、この仕掛けに気づいた瞬間、鳥肌が立つほどの感動があります。
すべての物語が一本の人生の軌跡として浮かび上がる瞬間が、本作最大の見どころでしょう。
額縁と絵画の比喩
この物語には「額縁」と「絵画」に関する哲学的な表現が散りばめられています。
「絵と額縁がぴったり合うことを『完璧な結婚』と呼ぶ」というセリフがあり、これはレイとブーの関係そのものを象徴しているように感じられます。
つまり、絵画が完成していても、額縁が整うことで初めて本当に完成するように、2人の人生もまた、額縁(時の流れや支え合い)を得てようやく形になったという、深いテーマが込められているのです。
人生は何度でもある—— 時間の流れと再生のテーマ
作中に登場する「人生は何度でもある。でも、それを経験できるこの体はひとつしかない」という言葉は、作品の核となるテーマです。
年月を重ねても変わらぬ愛と絆、何度も新しい形で人生を歩んでいくことができる、というメッセージが込められています。
単なる恋愛小説ではなく、時間の流れと人生の再生を描いた物語として読める点も、大きな魅力の一つです。
時間をかけて繋がる物語の美しさ
『赤と青とエスキース』は、読むほどに奥行きが増す作品。
最初はバラバラな短編集のように見えますが、最後にすべてが一本の人生として繋がったとき、「なるほど、これは運命の物語だったのか…」と深い余韻に浸ることができます。
「絵画と額縁」「赤と青の色彩」「人生の流れ」など、美しく計算された構成が魅力的で、読了後にはもう一度最初から読みたくなる作品です。
じっくり味わいながら読むことで、その繊細な仕掛けと世界観をより深く堪能できるでしょう。
美しくも切なく、そして温かい余韻を残すこの物語を、ぜひじっくり読んでみてください!
読者の口コミ
【この作品が合う人の口コミ】
・青山美智子さんの作品が好きな人
彼女特有の静かで温かいストーリー展開が存分に楽しめる。
・物語が繋がる驚きが好きな人
短編集かと思いきや最後に一本の人生として結びつく展開が楽しめる。
・絵画や芸術に興味がある人
「エスキース」という絵が物語の軸となり、額縁やアートへの深い考察が魅力的。
・時間をかけた恋愛に共感できる人
登場人物が長い年月をかけて関係を築く描写が心に響く。
【この作品が合わなかった人の口コミ】
・複雑な構成が苦手な人
各章で登場人物が変化し、時系列が飛ぶため、理解しにくいと感じる場合がある。
・短編集を期待していた人
一話ごとに独立した話かと思いきや、最終章で繋がるため、好みが分かれる。
・恋愛要素が苦手な人
本作は恋愛の流れが中心となるため、別ジャンルを期待している人には向かない。
・展開が早い物語が好きな人
穏やかな語り口で進むため、スピーディーな展開を好む人には物足りなく感じるかも。
その他の人気作品
お探し物は図書室まで

大学を中退し、夜の街で客引きのバイトをしている優斗。
「お探し物は、本ですか? 仕事ですか? 人生ですか?」
仕事や人生に行き詰まりを感じている5人が訪れた、町の小さな図書室。
彼らの背中を、不愛想だけど聞き上手な司書さんが、思いもよらない本のセレクトと可愛い付録で、後押しします。
(Amazonより)
人魚が逃げた

ある3月の週末、SNS上で「人魚が逃げた」という言葉がトレンド入りした。
どうやら「王子」と名乗る謎の青年が銀座の街をさまよい歩き、「僕の人魚が、いなくなってしまって……逃げたんだ。この場所に」と語っているらしい。
彼の不可解な言動に、人々はだんだん興味を持ち始め――。
そしてその「人魚騒動」の裏では、5人の男女が「人生の節目」を迎えていた。12歳年上の女性と交際中の元タレントの会社員、娘と買い物中の主婦、絵の蒐集にのめり込みすぎるあまり妻に離婚されたコレクター、文学賞の選考結果を待つ作家、高級クラブでママとして働くホステス。
銀座を訪れた5人を待ち受ける意外な運命とは。
そして「王子」は人魚と再会できるのか。
そもそも人魚はいるのか、いないのか……。
(Amazonより)
木曜日にはココアを

わたしたちは、知らないうちに誰かを救っている――。
川沿いを散歩する、卵焼きを作る、ココアを頼む、ネイルを落とし忘れる……。
わたしたちが起こしたなにげない出来事が繋がっていき、最後はひとりの命を救う。
(Amazonより)
チョコレート・ピース

その一瞬に、
祝福の一粒を。
チョコバナナ、キューブチョコ、マカダミアナッツチョコ、
チョコチップクッキー、アソートチョコ……
人生の小さな曲がり角にちりばめられた
彩りさまざまなチョコレートが
主人公の背中をそっと押す――
チョコバナナ×恋の予感
キューブチョコ×推し活
マカダミアナッツチョコ×結婚
チョコチップクッキー×友情
シガーチョコ×大人
ハイカカオ×失恋
チョコレートアソート×決意 ……etc.
受け取って、差し出して――
祝福の連鎖が動きはじめる
(Amazonより)
木曜日にはココアを

わたしたちは、知らないうちに誰かを救っている――。
川沿いを散歩する、卵焼きを作る、ココアを頼む、ネイルを落とし忘れる……。
わたしたちが起こしたなにげない出来事が繋がっていき、最後はひとりの命を救う。
(Amazonより)
ネットで簡単、本&DVD 宅配買取のネットオフ!
家に本が溢れかえってる人、常に新しい本を買っては売る人、そもそも出品作業や、売りに行くのが面倒な人。
ネットオフなら自宅で段ボールに詰めるだけ。
後は宅配業者が自宅に集荷に来て、全てお任せ!
気になる方はチェック!
【好評発売中】

『赤と青とエスキース』
著者:青山美智子





コメント