今回は、金子玲介さんの『死んだ山田と教室』という小説を紹介します!
「人は、その人が忘れられたとき、本当の死を迎える」
この言葉が示す深いテーマを通して、『死んだ山田と教室』は、読む人に感動と考察をもたらします。
男子校のバカ騒ぎが繰り広げられるコミカルな前半と、生と死、そして忘れられる存在の孤独を深く描いた後半。
その対比が生み出す独特の魅力とは?
今回は話題作『死んだ山田と教室』の見どころをたっぷりとご紹介します!

忘れ去られる死と感動の結末
『死んだ山田と教室』
著者 :金子玲介
ページ数:304ページ
あらすじ
夏休みが終わる直前、山田が死んだ。
飲酒運転の車に轢かれたらしい。
山田は勉強が出来て、面白くて、誰にでも優しい、二年E組の人気者だった。
二学期初日の教室。
悲しみに沈むクラスを元気づけようと担任の花浦が席替えを提案したタイミングで教室のスピーカーから山田の声が聞こえてきた――。
教室は騒然となった。
山田の魂はどうやらスピーカーに憑依してしまったらしい。
〈俺、二年E組が大好きなんで〉。
声だけになった山田と、二Eの仲間たちの不思議な日々がはじまった――。
(Amazonより)
見どころ
忘れられること、生きる意味
この作品の核心ともいえるテーマが、「忘れられること」と「生きる意味」です。
作中では、山田が交通事故で亡くなった後もスピーカーを通じて存在し続けます。
しかし、同級生たちが進級し、卒業し、それぞれの人生を歩んでいくことで、徐々に山田の存在は彼らの記憶から薄れていきます。
この描写は、人生の残酷さや時間の流れによる無情さを象徴しています。
「人は、その人が忘れられたときに、本当の死を迎える」という一節が特に印象的で、読者に深く刺さるテーマです。
山田と和久津の友情の行方
物語の中心軸を担うのが、亡くなった山田と彼の友人・和久津との友情です。
和久津は山田のために教師となり、母校に戻ります。彼の献身的な行動は、多くの読者に感動を与えるシーンです。
「○○〇〇と言え」と語りかけるクライマックスは、和久津の人間性と山田への想いが濃縮された瞬間であり、物語の結末を劇的に彩ります。
このシーンが、読者に生きることの価値や意味を問いかける重要な瞬間でもあります。
軽快な男子校らしさと重厚な変化
前半の物語では男子校特有の軽快でくだらない日常がテンポよく展開されます。
同級生たちの悪ふざけやスピーカー越しの交流は、青春の一幕を思い出させる懐かしさと笑いを誘います。
しかし、物語が進むにつれて、彼らの間に距離が生まれ、山田の孤独が浮き彫りとなっていきます。
この前半と後半の対比が物語に奥深さをもたらし、読者の感情を激しく揺さぶります。
山田自身の内面と「人気者」の裏側
山田は、人気者でありながらも、その裏側に孤独や葛藤を抱えていました。
中学時代のハブられる経験や、高校での「人気者」としての立場が、彼の内面を複雑に形成しています。
この作品は、外から見る「人気者」のイメージと、その人の真実の姿がいかに異なるかを描き出しています。
このギャップが、読者に共感と切なさをもたらします。
死と向き合うメッセージ
『死んだ山田と教室』は、死者との向き合い方や、死後の存在について深い問いを投げかけます。
生きている人々は死者をどう記憶し、どのように対話していくべきなのか。
また、死者自身はどのようにその状況を受け入れるべきなのか。
この作品は死をコミカルに描きつつ、リアルな重みを持たせることで、読者に様々な角度から考えさせる機会を提供しています。
読者の口コミ
【この作品が合う人の口コミ】
・山田のラジオ放送が面白い
・ラストの驚きと熱量にはただただ感服
・生者と死者の関係のあり方をリアルかつシビアに描いている
・驚きと共に胸に刺さるラスト
【この作品が合わなかった人の口コミ】
・最終的にちぐはぐな印象
・設定のツッコミどころ多い
・飽きて来たのでもう一捻り欲しかった
・テンポが言い分、薄く感じる
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『死んだ山田と教室』
著者:金子玲介



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