今回は、町田そのこさんの『52ヘルツのクジラたち』という小説を紹介します!
町田その子さんの傑作「52ヘルツのクジラたち」は、その深いテーマと心を揺さぶる物語で多くの読者の胸を打ってきました。
2021年本屋大賞を受賞した本作は、虐待やネグレクトといった重いテーマを扱いながらも、孤独や共感、そして希望を静かに描き出します。
この作品は、読む者に人生の深みや人との繋がりの重要さを再認識させるような一冊。
この記事では、この特別な物語の魅力について、私が感じたことや見どころを詳しくお伝えします。

クジラたちが伝える共感と救い
『52ヘルツのクジラたち』
著者 :町田そのこ
定価 :814円(税込)
発売日 :2023.05.25
ページ数:312ページ
あらすじ
52ヘルツのクジラとは、他のクジラが聞き取れない高い周波数で鳴く世界で一匹だけのクジラ。
何も届かない、何も届けられない。
そのためこの世で一番孤独だと言われている。
自分の人生を家族に搾取されてきた女性・貴瑚と、母に虐待され「ムシ」と呼ばれる少年。
孤独ゆえ愛を欲し、裏切られてきた彼らが出会い、新たな魂の物語が生まれる――。
(Amazonより)
見どころ
登場人物
この物語には、孤独や苦難を抱えながらも、繋がりや共感を通じて前に進もうとする登場人物たちが描かれています。
それぞれの背景や人間関係が物語の深みを生み出しており、読む者の心を強く揺さぶります。
主要な登場人物の特徴や関係性を簡単に整理しました。
三島貴瑚(みしま きこ)
主人公。26歳の女性。
毒親によるネグレクトを受け、義父の介護を一人で担わされるなど過酷な経験を持つ。
共感力が高く、似た境遇の人々に優しい。
少年(52)
13歳。母親からの虐待で言葉を失い、「ムシ」と呼ばれていた。
貴瑚の家に匿われる。
岡田安吾(アンさん)
美晴の職場の同僚。
貴瑚をネグレクトから救い出した。
牧岡美晴(まきおか みはる)
貴瑚の高校時代の友人。
毒親を持つ共通点から貴瑚に強いシンパシーを抱く。
村中真帆(むらなか まほろ)
貴瑚の家の修理を担当する職人。
貴瑚に好意を持ち、積極的に関わる。
孤独の象徴とその深み
「52ヘルツのクジラ」という比喩は、物語の核心そのものです。
この孤独なクジラは、自分の声が仲間に届かない存在として知られています。
この象徴性が、貴瑚と少年の痛切な孤独に重なり、物語の主題を支えます。
届かない声、理解されない切なさを描きながら、それでも響かせ続ける意思を感じさせる部分が、非常に感動的です。
キャラクター同士の共鳴と絆
貴瑚と少年が互いの傷を癒していく過程が、特に見どころです。
無言の理解が繋がりを生み出し、彼らが少しずつ心を開いていく姿が、読者を強く引き込んでいきます。
彼らが築く関係は、ただの友情ではなく、人生を取り戻すための一歩にも感じられます。
友情がもたらす救いの温かさ
美晴の存在が重要な役割を果たしています。
彼女の支えと優しさが、困難を抱える貴瑚にとって、生活の中でのかけがえのない救いとなります。
この友情がストーリーの重みにも関わらず、読者に希望の灯火を見せてくれるのが大きな特徴です。
重いテーマの中の希望
虐待やネグレクトという非常に重いテーマを取り扱う本作では、主人公が前向きに生きようとする姿が描かれています。
物語の暗い部分にこそ、生きる意味を考えさせられる一方で、希望の光が描かれているのが大きな魅力です。
読者の口コミ
【この作品が合う人の口コミ】
・余韻に浸れる素敵な作品
・とても読後感が爽快だった
・相手のためにできることを全力でやろうと思った
・心苦しい場面もあったが感動した
【この作品が合わなかった人の口コミ】
・辛すぎるお話
・テーマが重すぎた
・現実味がなくて没入できなかった
・なんだか都合のいい展開に感じた
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『52ヘルツのクジラたち』
著/町田そのこ





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