今回は、住野よるさんの『恋とそれとあと全部』という小説を紹介します!
「好き」って、そんなに単純なものだったっけ?
友達で、クラスメイトで、下宿仲間で、片思いの相手で──
その全部で、どれでもいい。
そんな曖昧で、でも確かに存在する感情を、住野よるはまたしても言葉にしてくれた。
『君の膵臓をたべたい』で心を揺さぶられた人なら、きっとこの物語にも引き込まれるはずです。
死への恐怖、言葉にできない不安、そして誰かを好きになるということの“全部”が詰まっています。
高校生の二人が過ごす、たった四日間の夏休み。
その短い旅の中で、彼らは何を見て、何を感じ、何を選んだのか。
読後、タイトルの意味が胸にストンと落ちる瞬間を、ぜひ味わってみてください。

タイトルの意味に涙する青春と死の物語
『恋とそれとあと全部』
著者 :住野よる
ページ数:288ページ
あらすじ
夏休み、俺は片想い中のサブレと夜行バスの旅に出た。
彼女が口にした、ちょっと風変わりな目的のために――
見知らぬ町で一緒に過ごすうち、そして会話を重ねる度に、サブレをもっと深く知った俺の中に名前のない感情たちが溢れ出てきて……。
特別な夏の4日間が教えてくれた、恋だけじゃない、世界の「あと全部」を巡る物語。
(Amazonより)
見どころ
不器用で面倒くさい二人の関係性
物語の中心にいるのは、鳩代司(サブレ)と瀬戸洋平(めえめえ)という高校生。
サブレは神経質で、何でも気にしすぎる性格。
一方のめえめえは、陽キャ寄りで、サブレに片思いしているけれど、彼女の複雑さに戸惑いながらも惹かれていく。
この二人の関係は、友情とも恋愛とも言い切れない曖昧な距離感から始まる。
下宿仲間でクラスメイトという日常の延長線上にある関係が、夏休みの旅を通して少しずつ変化していく。
互いの「面倒くささ」を受け入れることで、関係が深まっていく様子がとても丁寧に描かれていて、読者の心にじんわりと染みてくる。
特に印象的なのは、互いの悪いところを言い合う場面。
傷つけ合うようでいて、それが本音のぶつかり合いであり、信頼の証でもある。
ここで初めて、二人は「全部」をさらけ出す。
タナトフォビアというテーマ
サブレが祖父の家に行く目的は、遠い親戚の自殺について話を聞くこと。
めえめえはその旅に同行する。
死を極度に恐れる「タナトフォビア(死恐怖症)」というテーマが物語の根底にあり、サブレの行動や言動にはその影響が色濃く出ている。
この旅は、ただの青春旅行ではない。死という重たいテーマに向き合うことで、二人は自分自身の価値観や感情を見つめ直す。
遺族の怒りや悲しみ、死をイベントのように扱ってしまう危うさ──
それらがリアルに描かれていて、読者にも「死とは何か」「生きるとは何か」を問いかけてくる。
「死ぬってことは何でも許される免罪符じゃない」という言葉に象徴されるように、物語は甘酸っぱいだけでは終わらない。
深いテーマを扱いながらも、決して説教臭くならず、登場人物たちの目線で語られているのが魅力。
タイトルの意味が腑に落ちるラスト
『恋とそれとあと全部』というタイトルは、読んでいる途中では少し不思議に感じるかもしれない。
でも、ラストに近づくにつれて、その意味がじわじわと明らかになっていく。
サブレが語る「それが私の真剣に決めた自由で、放したくない不自由だ」という言葉。
これは、恋愛だけではない、友情や信頼、依存や葛藤──
すべてを含めて「一緒にいたい」と思う気持ちの表れ。恋だけじゃない「好き」の形がここにある。
このタイトルが指す「あと全部」とは、恋以外のすべての感情や関係性。
めえめえとサブレが互いの面倒くささも弱さも含めて受け入れ合うことで、ようやくその意味が腑に落ちる。
読後には、タイトルが心に残る余韻となって響く。
住野よるらしい“言葉の力”
住野よる作品の魅力のひとつは、登場人物たちが言葉を尽くして感情を伝えようとするところ。
今回も、「言い直していい?」というやり取りや、「誰かに親切にしたら、ちょっと報われたり…」という台詞など、印象的な言葉が随所に散りばめられている。
それらの言葉は、読者自身の感情や記憶を呼び起こし、「あのときの自分もこんな気持ちだったかもしれない」と思わせてくれる。
恋愛小説でありながら、自己肯定感や他者との距離感、死への恐怖など、繊細なテーマを言葉で丁寧に描いているのが住野作品らしさ。
読者の口コミ
【この作品が合う人の口コミ】
・言葉のやり取りが魅力的
「言い直していい?」などのセリフが心に残り、人との関係を考えさせられた。
・感情の揺れがリアル
登場人物の繊細な心の動きに共感できて、読後に余韻が残った。
・タイトルの意味に感動
ラストで「あと全部」の意味が腑に落ちて、胸が熱くなった。
・死と恋のテーマが深い
青春の甘酸っぱさだけでなく、死への向き合い方がしっかり描かれていて印象的だった。
【この作品が合わなかった人の口コミ】
・住野作品としては物足りない
過去作と比べて印象が薄く、期待ほどではなかった。
・恋愛要素が弱く感じた
恋愛小説として期待していたが、死のテーマが強すぎて違和感があった。
・登場人物が理解しづらい
あだ名や性格が複雑で、感情移入しにくかった。
・展開が重すぎる
青春ものとして読むには、死や自殺の話が重くて読みにくかった。
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『恋とそれとあと全部』
著/住野よる





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