今回は、朝井リョウさんの『そして誰もゆとらなくなった』という小説を紹介します!
一冊の本で、ここまで笑えて、ここまで赤裸々で、そしてなぜか深く頷いてしまう――
そんな読書体験、最近しましたか?
朝井リョウのエッセイ三部作、ついに完結。
第3作目『そして誰もゆとらなくなった』では、胃腸の暴れっぷりと共に、人生の不安や矛盾を“笑える痛み”として描いています。
サイン会の手紙データベース化、謎の催眠術チャレンジ、クリスマスケーキ5個の末に脂質異常症…文章にするとただの珍事件。
でも朝井リョウの手にかかると、それが「人生のスタンプラリー」になり、読者の心をつかんで離しません。
このブログでは、そんな“自意識過剰で行動力だけはある人”がつづった傑作エッセイの魅力を、あらためてじっくりと紐解いてみたいと思います。
肩ひじ張らず、時に吹き出しながら、そして「わかる…」としみじみしながら読んでいただけたら嬉しいです。
さあ、読み進めてみましょう。

共感と爆笑の嵐
『そして誰もゆとらなくなった』
著者 :朝井 リョウ
ページ数:384ページ
あらすじ
頑張りすぎた結婚式の余興に、10年ぶりのダンスレッスンで受けた屈辱……。
公共の場で読むのが危険なほど面白い!『時をかけるゆとり』『風と共にゆとりぬ』に続く、抱腹絶倒エッセイシリーズ完結編!文庫書き下ろしエッセイ「ホールケーキの乱、その後」「ロスト・イン・パーソナルトレーニング」も2本収録。
【エッセイ内容】
修羅!腹痛との死闘、そして投降/戦慄!初めての催眠術体験(有料)/術後!肛門科医との忘れ難い一夜/恥辱!十年ぶりのダンスレッスン/妖怪!結婚式余興やりまくり人間/空回り!サイン会への熱烈な準備/他力本願!引っ越し面倒臭すぎる/生活習慣病!スイーツ狂いの日々/帰れ!北米&南米ハプニング旅行 など多数
(Amazonより)
見どころ
精神的スタンプラリーという名の人生観
このエッセイの中で朝井さんが語っている「精神的スタンプラリー」という表現が、今作の核心ともいえるテーマです。
つまり、“やりたいわけじゃないけど、人生で一度は経験しておくべきなのでは?”という強迫観念に突き動かされて何かに挑戦する。
その感覚って誰しも持っているのではと思わせられます。
例えば、南米マチュピチュやウユニ塩湖をめぐる卒業旅行がそれにあたります。
美しい絶景とは裏腹に、本人の関心はトイレ問題ばかりで、旅そのものは壮大な「やらかし」の連続。
けれど、そんな無茶をしてでもスタンプを押しに行こうとするところに、彼なりの人生の探求が垣間見えます。
笑いと羞恥のせめぎ合い――お腹問題との戦い
このシリーズで欠かせない要素が「お腹トラブル」。
第3作目にしてついに、お尻事情は冒頭から全開です。催眠術での治療チャレンジ、披露宴の余興中の事故、ロスのホテルの浴槽で…など、日常生活に支障が出るレベルのエピソードがこれでもかと登場します。
それなのに朝井さんは、自分の排便頻度(午前中だけで4回など)すらネタにし、読者を笑わせる。
でも笑いながら「本当に大変だよね…」と同情してしまう不思議な気持ちになるんですよね。
お菓子のバラエティパックのようなエッセイ構成
今作は全20編、すべて書き下ろしのエピソードで構成されていて、それぞれが違った笑いのツボをついてきます。
誕生日サプライズ広告、ホールケーキ5個事件、トーランスで踊りまくる話、柚木麻子さんとの絶妙な掛け合いなど…。
本業が小説家とは思えないほど、エッセイストとしての力量に驚かされます。
まさに「バカバカしくて笑ってしまう」けれど、「どこかで共感してしまう」。
そんな人間味溢れた短編がぎっしり詰まっています。
文章のクセと魅力――朝井節が光る
読者レビューでも多く挙げられていたのが、彼独特の文体。
語尾の「~だなァ」とか「いいのォ…?」など、“朝井節”と呼ばれる文字のリズムや語調が、読み手の脳に心地よく残ります。
また、言葉のセンスが抜群で、「人生はいつだって“あのときの自分死ね”の連続」など、笑いながらも“わかる”とうなずかされてしまうフレーズが連発します。
何気ないことをここまで面白く描写できるのは、朝井さんならではです。
小説とのギャップが魅力になる
『正欲』などのシリアスなテーマを扱う小説とのギャップも、このエッセイが読者に与える驚きと魅力のひとつです。
エッセイを読んで初めて朝井作品に触れる人は、ある意味“最悪の導入”になりかねないけど、小説だけしか読んだことがない人には衝撃のギャップ萌え。
彼のユーモアと自虐、そして人との関わり方――
それらが小説とは違う形で伝わってくるエッセイは、まるで別人が書いたかのよう。
でも共通しているのは、どこかに「誠実さ」があるところです。
読者の口コミ
【この作品が合う人の口コミ】
・頭を空っぽにして楽しめる
疲れた時に読むと元気が出る、何も考えずに笑えるという点で支持されている。
・声を出して笑った
日常の出来事をユーモラスに描いていて、電車内で笑いを堪えるのが大変だったという声が多数。
・文章力が抜群
些細な体験を面白く昇華する文才に感動。「精神的スタンプラリー」という表現に共感する人も。
・親しみやすいキャラクター
著者の人間味や友人との関係性に癒され、「友達になりたい」と感じる読者も。
【この作品が合わなかった人の口コミ】
・小説とのギャップに戸惑い
『正欲』などのシリアスな作品との落差に驚き、「こんな人だったのか…」と引いてしまう読者も。
・排泄ネタが多すぎる
「便の話しか覚えていない」「食欲が失せた」など、下ネタに抵抗を感じる読者も。
・共感できない体質描写
胃腸が強い人には、著者の苦労が理解しづらく、笑えないという意見も。
・倫理観に疑問
友人へのサプライズ広告などが「悪ふざけ」「いじめっぽい」と感じる人もいた。
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『そして誰もゆとらなくなった』
著者:朝井 リョウ





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